琉球コラソンに新指揮官 元女子日本代表監督 黄慶泳氏就任
- 2021/4/25
- エンタメ・スポーツ
「コラソン=(スペイン語で)心」を体現
会見の中で黄監督は、守りから安定した試合運びをしていきたい旨や、ゴールキーパー・センターバック(司令塔的役割)・ピボット(得点する役割)と攻守でのセンターラインとなるポジションを”真ん中の軸”と表現し強化のポイントとして挙げた一方で、相手チームの戦術、試合の中での状況変化に臨機応変に対応できるチーム作りを最も強調した。
「現場で実際に動いて(チームとして)コミュニケーションを取りながら感覚としてやらなければいけないと思います。若手・ベテランそれぞれの役割、(前後半合わせて)60分出続ける選手、試合の流れを変えるワンプレーのために出てくる選手というように、様々な起用の仕方があるし役割分担があります。それが一つ結集した時に、初めて勝ちが訪れると思っています」
またハンドボール熱が高く、厳しいながらもハンドボール関係者やスポンサー企業、ファミリア(コラソンファン)がチームを支えていることに恩返ししたいという言葉は、特に熱を帯びていた。
「チームの基本理念である沖縄から世界で戦える選手を育てること、そして沖縄県民にハンドボールを通して元気を届けること。正直に申し上げて日本リーグは長丁場で総力戦になりますので、昨シーズン10位のチームが優勝というのは非常に難しいと思いますが、(プレーオフに出場できる)4位以内に入っていくことが目標です。弱いチームでも強いチームに勝つということが可能であるのがスポーツだと思っているし、そのために努力をします」
新風への期待と
黄監督招聘を実現させた水野裕矢コラソン社長は、「基本プレーに忠実で細やかな指導」と「厳しく試合に臨める姿勢づくり」という面で期待を述べた。新チームの本格始動は4月27日からだ。東京オリンピックとの兼ね合いで時期はまだ確定していないが、去年と同じであれば日本リーグは8月~翌2月ごろ、これに秋の国体が開催されるかどうかという状況となっている。
新チームの試合はまだ先とはなるが、県出身選手や、ステップアップを見据え沖縄の地にやってきた選手たちをどう鍛え上げていくのか。これまでの指導環境と比べ想像以上に苦労する点が出てくるであろうが、コラソンと沖縄のハンドボールに新風を巻き起こしてくれることを期待する。個人的な思いになるが、柔らかで実直で情熱あるその人柄は、サッカーFC琉球をJ3で優勝させJ2に導いた、金鍾成(キム ジョンソン)前監督を思い出させてくれる。
また新監督就任の一方で、2018年から監督を務めていた東長濱秀作氏、コーチの村山裕次氏と2014-15年シーズンのプレーオフ進出(4位)など選手としてもチームに多大な貢献をした指導者たちが退任、またベテラン赤塚孝治選手が退団、三村裕幸選手が引退と、苦しい時期を支えたプレーヤーがチームを去る。これまでの奮闘に心からの敬意を表したい。
●琉球コラソンHP
https://www.ryukyu-corazon.com/
●琉球コラソン公式YouTubeコラッチャTV
https://www.youtube.com/channel/UCMn6_KcnUOTxTK3UmByB_5w