女優・柴田千紘の沖縄めぐり 大花火発射権を15万で買った男の末路編
- 2021/1/24
- 食・観光
うるま市を盛り上げようと挑戦する多田さんの想いに重なって応援したくなったコジャくんが、発射ボタンの権利をそのクラウドファンディングで買うことで精一杯の支援をしたんでしょう。
私は今回そんな繋がりでうるまドームに呼んでもらえたのですが、このうるまドームって初めて行ったけど場所が最高でした。自然の中のグランピングのようなかんじで。海が目の前だし田舎ののどかな空気感。せっかく沖縄に来たら私はこういうところで過ごしたいなと思う場所。
そこのお庭で地元の方たちやその友人たちとBBQをしながら、コジャくんのボタンによって打ち上げられた美しい花火をみんなで見届けることになったのです。
押せるのか、発射ボタン!
しかし、結果から言うとコジャくんによって花火が打ち上げられることがありませんでした。
というのも、車で30分離れた現場に出発したはずのコジャくんが酔っ払って「千紘さんもボタンを押す現場に行きましょう」と戻ってきたのです。
BBQの準備していた皆さんは「なんでまだあの人が、ここに…?」と頭にハテナが浮かんでいました。
私も「(ボタンまで)行く行く!」と彼の友達が運転する車に乗り込んだものの、集合時間は打ち上げの1時間前の6時だったらしいので拾ってくれたときにはとっくに遅刻していました。
以下、花火を打ち上げる大役を文字通り買って出た人の車内での発言です。
「やばい!間に合う気がしない!だれかコジャって名乗って押してくれたら全然いい!」
「大人からめっちゃ電話くる!」
「大人に怒られた!普通にへこむ!」
「酔っ払って手元がおぼつかない!こんなんじゃボタン押せない!」
「遅刻するしボタンも押せないようなやつ絶対に就職できない!」
ポンコツ発言のオンパレード。
なんてもう諦めの話になってきたときもうすぐ到着という本当に会場目と鼻の先のところで7時になってしまった。
男は背中で語る
コジャくんがボタンを押さないと花火が打ち上がらないと焦っていた私たちは、出来る限り急いで係の人に駐車場まで誘導に来てもらう。
すると、
バン バン !!
花火があがった音がした。
建物へ入ってエレベーターに滑り込む間に、もうドカンドカンと花火があがってる。これは完全に始まってしまった。なのに急いでる。
とりあえず走ってそのまま屋上へ行き、めちゃくちゃ綺麗な花火を見ながらボタンのところへ行くとコジャくんの指がスカスカと一応ボタンを押した。
15万で買った大役をついにやり損なった男の背中と花火を私は眺めていた。
大きな大きな花火。
雨で屋上の床は濡れていて花火が湖みたいに反射して下にも花火が見えた。
花火に包まれて立っていた。
堂々と打ち上がった花火は、こんなドタバタがあったのは知らない見ている人たちの心に多分なにかを与えつつ、風にも負けず雨にも負けず、綺麗に夜空に咲いていました。
やらかして大人みんなに頭をさげていたコジャくんの背中も…負けじと大きかったです。
彼が支援してこの花火が打ち上がったことにかわりはないから。
感動してちょっとだけ泣いていました。
うるま市がんばれ。みんながんばれ。
私はその様子をインスタライブで中継していたんですが、去年見れなかったからありがとうってコメントをくれてる人がいました。
同じように喜んだり元気をもらった人たちがいて、好きな地元が少し活気づいて、面白くなっていったら、コジャくんはめちゃくちゃ良い買い物をしたんじゃないでしょうか。
ドームに戻ってからもみんな笑顔で、私はとても幸せな夜に居合わせることができました。