経済損失6482億円、外国人客は0に 新型コロナと沖縄の1年
- 2020/12/30
- 新型コロナ・医療
「かつてない深刻事態」
沖縄県が11月に改定した経済対策基本方針によると、新型コロナによる経済損失は6482億1300万円と推計されている。特に、観光消費がマイナス4639億円と最も大きい。
観光需要に下支えされ、好調に推移してきた雇用情勢も深刻化している。求職者1人に対して求人が何件あるかを示す有効求人倍率は、19年平均で1.19倍を記録。沖縄が本土に復帰してから最高値を記録したが、コロナの影響で今年9月は0.64倍まで下がった。同月の完全失業率も3.7%に上昇(悪化)している。
こうした経済状況について、県は「本県の経済や社会活動は、かつて経験したことがない深刻な事態になっている」と分析。「止血の緊急対策」から「回復へと転換する経済対策」への移行を打ち出しているが、コロナが世界的に猛威をふるう中、観光という外需に左右される沖縄経済に有力な特効薬は見つかっていない。
コロナに揺れた1年。感染防止には県民一人一人の意識も大事になるが、失われた損失をどう回復し、経済を軌道に乗せるか。国や県の役割はますます重要になっている。