キッチンカーで県内駆け回る ヴィーガン料理40種類、高まる健康志向
- 2020/11/26
- 食・観光
注目が高まるヴィーガン料理、欧米では当たり前の文化
欧米の先進国では、当たり前のように文化として定着しているヴィーガン。各国の企業団体らが行った調査によると、ヴィーガンを自認している人が全人口に占める割合は、英国で7%(2018年)、米国で6%(2017年)との結果が出ている。
ヴィーガンは日本語で「完全菜食主義者」と訳され、肉だけではなく卵や乳製品も口にしない。食べ物だけではなく、例えば毛皮製品なども買ったり身に着けたりしない。これは「人間が動物を搾取しない」という考え方に基づいている。
県内でも2016年からヴィーガン食のイベントが開催されているなど、人気が高まっている。その理由を小坂さんに聞いた。
「県内でヴィーガンを提供しているお店や専門店は少ないけど、人口比率でいうと全国でもトップクラスで多い。特に、欧米文化の影響を受けやすい沖縄は、インターネットの普及も相まって自然と根付きやすかった」
さらに、この数年で健康志向が増え、食に関心を持つ人が増えていることもあげられる。コロナ禍を機に、生活習慣の改善に取り組む人など健康への意識が高まりつつある。
小坂さんは「生活の一部にヴィーガンという選択肢があったらいい」と述べる。ヴィーガンの背景には、動物を食べないことでの動物愛護の観点や、畜産業が引き起こす環境汚染を阻止しようとの問題意識もある。「六屯をきっかけにそういった社会的背景を知ってもらえたら嬉しい」と話した。
イチ押しは新メニューのチキンオーバーライス
食事は週替わりで提供している。イチ押しは、ひよこ豆をすりつぶして作った中東風コロッケを挟んだ「ファラフェルサンド」。ハンバーグに近い食感で、栄養素が高く、海外ではブーム中の人気フードである。
さらに、今月から新メニューに加わった、ニューヨーク発祥のB級グルメ「チキンオーバーライス」もおすすめだ。大豆肉を水で戻し、独自でブレンドした数種類のスパイスやハーブで絡めて香ばしく炒めたあと、季節の県産野菜をたっぷりとライスに盛り付け。自家製のソースと豆乳マヨネーズなどをかけて完成。ニューヨークで屋台飯として長年に渡り人気のメニューである。
六屯の大豆肉を使ったメニューは、お肉を使用していないとは思えないほどジャンクっぽさもあり、肉好きな方がリピートするほど好評。肉に似た食感でお客さんから「肉が入っている」とクレームを受けたことも、「ヴィーガンと関係なく、普通に美味しいから」とリピーターになったお客さんもいるほどだ。他にも、野菜をふんだんに使い、野菜のおいしさを前面に引き立てたメニューが味わえる。
さらに、調味料もすべて一から手作り。マヨネーズは豆乳を使い、自家栽培のバジルや野菜からソースを手作りしている。「商品開発は思いつき」といい、普段の生活で得た刺激を六屯で表現し、提供している。