キングス、EASL初戦を白星 ヴィック・ローの決勝点で韓国2位に80ー79

 
勝負を決めるシュートを沈めたヴィック・ロー=18日、沖縄アリーナ©Basketball News 2for1

 バスケットボールの東アジアスーパーリーグ「EASL」2023-24シーズンは18日、各地で2試合を行った。昨シーズンのBリーグ王者として参戦している琉球ゴールデンキングスは沖縄アリーナで今季の初戦に臨み、韓国リーグ(KBL)で昨シーズン準優勝のソウルSKナイツに80ー79で勝利した。キングスは次戦、11月1日にアウェーの韓国で再びソウルと対戦する。

相手エースは39得点もチーム力で上回る

39得点を挙げたソウルSKナイツのジャミール・ワーニー©Basketball News 2for1

 力強いドライブでゴールにアタックするソウルのビッグマン、ジャミール・ワーニーに序盤から次々と得点を決められたキングス。桶谷大HCが「ちょっとヘルプに寄るだけでは全然止められなくて、前半はかなり手こずりました」と振り返るように、前半だけで一人で25得点を許した。特にゴール下を支配され、全体のリバウンド数でも劣勢となった。

 しかし、徐々に守り方を改善していく。ワーニーがボールを持った瞬間に逆サイドの選手がダブルチームを仕掛けてボールを離させたり、囲んでタフショットを打たせたりして成功率を落とさせた。ワーニーを潰したことでゴール下まで攻め込まれる場面が減り、後半はリバウンド数も上回った。オフェンスではソウルのように一人の選手に大きく依存するのではなく、各選手がボールをシェアしながらフリーの場面を演出し、高確率のシュートを決めて対抗した。

 試合はリードするチームが25回入れ替わる大接戦となったが、最後は残り30秒を切って77ー79と2点ビハインドの中、ヴィック・ローがファウルを受けながらレイアップを沈め、同点。ボーナスのフリースローを決めて1点勝ち越し、相手の最後のオフェンスを凌いで逃げ切った。

 ソウルは39点を決めたワーニーがただ一人の二桁得点だったが、キングスはロー、松脇圭志、今村佳太、アレックス・カーク、牧隼利の5人が二桁に乗せ、最後までバランスのいい攻撃を貫いて勝利をつかんだ。

桶谷HC「声援のおかげで守り切れた」

要所で得点を決めた今村佳太©Basketball News 2for1

 桶谷HCは「Bリーグのチームの戦い方と違う部分があり前半は苦労しましたが、リバウンドをしっかり取れるようになってから立て直すことができて、我慢しながら接戦を勝ちきることができたと思います。沖縄アリーナのファンの皆さんの声援のおかげで最後に守りきることができたと感じています」と語り、ホームの後押しに感謝した。

 最後に勝負を決めたローは「今日の試合は特に学ぶことが多かった試合でした。ミスもいくつかありましたが、この試合で出た課題をしっかりと受け止めて、次の試合に向けて準備をしていきたいです」とコメントした。

 EASLは日本、韓国、フィリピン(PBA)、台湾(Pリーグ)の各リーグにおける昨シーズンの優勝、準優勝チーム、計8チームが出場して年間王者を決める大会。4チームずつに分かれてホーム&アウェー形式で対戦し、各グループの上位2チームがプレーオフに進む。2シーズン目の開催となる今季は、日本からはキングスに加え、昨シーズンBリーグで準優勝した千葉ジェッツが出場している。

 キングスは2021-22シーズンのBリーグで準優勝だっため、昨シーズンのEASLにも出場し、4位だった。前回はコロナ禍の影響で日本での集中開催だったが、今シーズンから初めて本格的なホーム&アウェー方式を採用。Bリーグのレギュラーシーズンと並行して試合を消化し、厳しいスケジュールとなるため、シーズンを通していかにコンディションを維持しながら戦っていくかが王者になるための鍵となりそうだ。

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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