亡き父の”思い”継ぎ 39歳若き会長、目指す「沖縄から世界王者」

 

 そのパワフルなボクシングも、去年対戦し2019年全日本フェザー級新人王に輝いた大阪の前田稔輝(まえだ じんき)に判定で敗れた。現時点で唯一の黒星は、福永のパンチ力を警戒してフットワークを使う相手のアウトボクシングへの対応という課題を与えた。

 福永「課題は、精神コントロールと畳みかける集中打、コンパクトに手数を出すことです。今年は全日本新人王をとって国内ランキングに入って 来年には上位ランカーになれる位置まで行く目標は定めていますね」

 試合で冷静さを保つためヨガを練習にも取り入れたいと提案してくる福永の姿勢に、中真会長も目を細める。

 中真「(福永は)研究熱心だし、持ち味がパンチと気迫とワイルドさなのでそれを消さずに上手く生かす戦い方をしていきたい。やっぱり沖縄のボクサーは昔はパンチ力があってみんなKOで勝って人気があったじゃないですか。人気を取り戻すためには、魅力ある型にはまらない選手を育てたいですね」

 育成と同時にジムの運営も考えなければいけない。クラウドファンディング(サイトCAMPFIREにて9月29日まで)にも挑戦し、その取り組みを継続してジムのサポーターになってくれる人たちを増やすことも考えている。自らが現役時代果たせなかった世界王者への夢に向かい、中真会長は教え子たちとともに汗をかき続ける。

(左から)吉永陸人、岸本有彩、福永輝、福永美海(妹)、中真光石会長

沖縄ワールドリングボクシングジム
北谷町砂辺360-1
TEL:098-989-1652

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吉田鉄太郎

投稿者記事一覧

読谷村出身。県外放送局勤務後、帰郷しFM沖縄・FMよみたん情報番組パーソナリティー、RBCスポーツキャスターなどを経て、現在はQAB報道部にてスポーツを中心に記者業務に携わる。ヴォーカリストの妻とバトントワリングに励む娘と元気に楽しい3人暮らし。

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