亡き父の”思い”継ぎ 39歳若き会長、目指す「沖縄から世界王者」

 

コロナ禍のジム

 会員は40人ほど。北谷という土地柄で基地関係者のアメリカ人もいるがコロナ禍で足が遠のいたり、新規の練習生も増加が望めない。スポンサー集めにも苦心している。3人在籍しているプロ選手の試合を組むにしても遠征費用の工面もしなければならない。それでも、前会長の悲願でもあった”沖縄のジムからの世界王者輩出”を胸に、中真会長は選手一人ひとりの個性や長所を磨き、魅力あるボクサーに育てることがボクシングに関心を持ち、応援してくれる人を増やす道だと考えている。

 中真「選手は本当に夢を持ってチャンピオンになりたいとか、人生をかける感じで来るのでそれに向き合って中途半端にならないように、ちゃんとしっかり気持ちを汲み取って精一杯がんばるしかないです」

 39歳の若き会長の思いと指導に魅力を感じ、沖縄ワールドリングには才気ある若手選手が集まっている。全国準Vの実績ある県内一人だけの女子高校生ボクサー、嘉手納高3年の岸本有彩(きしもと ありさ)。今年7月の県総体ライト級を2年生ながら制したKBC未来高の吉永陸人(よしなが りくと)。3月の全日本アンダージュニア大会小学女子54kgで優勝した北谷中1年の福永美海(ふくなが みう)。

期待の成長株とともに

 中高生のみならず、プロボクサーも3人在籍している。中でも一番の成長株は、プロ6戦5勝1敗4KOの21歳、福永輝(ふくなが ひかる)。10月11日には西部日本新人王戦の決勝を控えている。腕っぷしに自信があってケンカっぱやかったが、高校卒業後本格的に始めたボクシングが自分を成長させてくれたと語る。

 福永「マイクタイソンがめっちゃ好きなんですよ。日本人で尊敬しているのは(元WBCフライ級世界王者)比嘉大吾さんで(打ち合う)スタイルも似ているしKO率があるしパンチ力もあるので、自分がデビューから4戦連続でKOした時にはやっぱり意識はしていました」

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1

2

3

関連記事

おすすめ記事

  1. 試合後の挨拶で声を詰まらせる琉球コラソンの東江正作監督=2月23日、那覇市の沖縄県立武道館(長嶺真…
  2.  公立大学法人名桜大学(名護市、砂川昌範学長)と、沖縄本島北部の新テーマパーク事業…
  3. 屋那覇島 2015年著者撮影  34歳の中国人女性が「私が買った」とSNSにアップしてから、…
  4. 沖縄本島北部の伊是名村に属する無人島・屋那覇島。周囲は浅瀬で、エメラルドグリーンの海が広がっている…
  5. 座間味島付近の上空で目撃された白い球体=2022年4月28日午前(山本拓海さん提供)  偵察…

特集記事

  1. 練習中も大会本番と変わらない気迫で形を打つ喜友名諒=2022年11月撮影  東京五輪で初採用…
  2. 下地島空港  今年1月、在沖米海兵隊が人道支援・災害救援を目的とした訓練のため宮古島市にある…
  3. OTS台北事務所の與那覇正雄所長=1月9日、台北市内  昨年6月に訪日観光客(インバウンド)…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ