倉貫新体制が目指す「魅力的なサッカー」とは J3・FC琉球が新シーズンへ始動

 

選手が”楽しい”と思えることを重視

練習中、選手たちに指示を出す倉貫一毅監督

 富所の認識は、倉貫監督の話からも伺うことができる。練習後の取材対応での言葉だ。

 「何が楽しくてサッカーを始めたかを聞かれたら、ほとんどの選手がボールを蹴る事や触る事が楽しくて始めたと答えると思います。僕自身もそうでした。それを考えた時に、自分たちがよりボールを触るサッカーをした方が、見てる人も楽しい魅力的なサッカーができる可能性は高いという考えです」

 昨シーズンの課題だった守備の強化については、こう語った。「攻撃と守備はリンクしないとダメで、分けて考えるとおかしくなります。攻守が一体化するような考え方にもっていけるように選手に話をすることが重要です。それが守備の強化にもなるし、攻撃の強化にもなると思います」

 J2で9位というチーム過去最高成績を残した2021年シーズン、特に上位争いをしていた前半戦は両サイドバックが高い位置まで上がって攻撃的戦術を取りながらも、ボランチやディフェンダー陣が空いたスペースへの相手のカウンターを防ぐ役割を担っていた琉球。異なる指揮官の下で戦術に違いはあれど、当時のようにチーム全体が共通認識を持って攻守に連動することが求められる。

琉球U18から昇格した津覇「沖縄を盛り上げる」

取材陣の質問にハツラツとした表情で答える津覇実樹

 練習後の取材対応には、今季FC琉球のU18チームからトップチームに昇格したうるま市出身の津覇実樹も姿を見せた。2005年1月生まれの17歳。U18から直接昇格した選手は4年ぶりだ。

 昨シーズン途中にはU18に所属しながらJリーグの公式戦に出場できる2種登録を果たしたが、9日はトップチーム所属の選手として臨む初の練習となった。初日の感想を問われると「初めて喋った人ともコミュニケーションを取れていい練習になりました。(トップチームの選手として)より一層責任感を持ち、沖縄全体を盛り上げられるように頑張りたいと思います」と意気揚々と話した。

 ボランチを最も得意とするが、多くのポジションをこなせるユーティリティープレーヤーを自認しており「監督が使ってくれるのであれば、どのポジションでも結果を出せるようにしたい」と意気込む。身長177㎝とサイズもあるため、ディフェンス面での貢献も期待される。それを念頭に「センターバックもサイドバックもできるし、たくさん走れるところも自分の強みだと思っています。守備でチームに貢献したいです」とハツラツと語った。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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