シンカ(仲間)の絆強めよう「第7回世界のウチナーンチュ大会」開幕
- 2022/11/1
- 社会
世界中から沖縄県系人や沖縄にゆかりのある人が集結する「第7回世界のウチナーンチュ大会」(同実行委員会主催)の開会式が10月31日、那覇市奥武山町の沖縄セルラーパーク那覇で行われた。今大会のキャッチフレーズは「うちなーのシンカ(仲間)、今こそ結ぶ世界の輪」。雨天のため当初の開催地だった隣の沖縄セルラースタジアム那覇から会場が変更となったが、各国の関係者ら866人(主催者発表)が参加し、11月3日まで続く祭典が華やかに幕を開けた。
戦前、戦後と沖縄から多くの移民が海外に渡り、現在沖縄県系人は世界に約42万人いるとされる。世界のウチナーンチュ大会は1990年に第1回大会が行われ、原則5年に一回行われてきた。昨年はコロナ禍で延期になったため、今回の開催は6年ぶりとなる。
「世界のウチナーンチュの日」の10月30日に国際通りで行われた前夜祭パレードには海外からの1,858人を含む計3,270人が参加し、大会は既に盛り上がりを見せている。
テーマソング「歌らな踊らな」で幕開け
音楽グループ「HY」のスペシャルライブなど、開会式の内容は雨天のため残念ながら一部中止となったが、式の様子はライブ中継もされ、スタジアムでのパブリックビューイングのほか、海外からも多くの人が見守った。幕開けを飾ったのは、沖縄出身の男女3人組グループ「green note coaster(グリーンノートコースター)」による大会テーマソング「歌らな踊らな」の生ライブ。
〈会えない時間を 楽しみにかえて ふたたび会える喜び 心に感じて 今日は皆揃(する)てぃ 歌らな踊(うどぅ)らな 三線リズムあわせて 風にのせ ずっと〉
という歌詞を女性ボーカルの金城美織さんが伸びやかに歌い上げ、沖縄のユイマール精神や世界のウチナーンチュの絆を表現した。指笛や三線の音色も織り交ぜた軽快な音楽も会場の雰囲気を明るくし、参加者から大きな拍手が沸いた。
続いて県のウチナージュニアスタディ事業に参加した中高生が順番に言葉を紡ぎ、高らかに開会を宣言した。
ハワイ知事「友情の絆を強めることができる」
実行委員会を代表して挨拶した玉城デニー知事は「私達ウチナーンチュは持ち前の明るさと互いに助け合うちむぐくる、不屈の精神で多くの困難を乗り越え、世界中のウチナーンチュたちと時空を超えてこの場で再会しています。久しぶりの再会や新たな出会いに心を躍らせ、魅力あふれる沖縄の自然、文化、街並み、ゆいまーる、いちゃりばちょーでー、ちむぐくる、たっぷり満喫していただきたいと思います」と歓迎した。
来賓祝辞を務めたのは、県系3世である米国ハワイ州のデービッド・イゲ知事。大会に参加できることに幸せを感じているとした上で、「大会期間中、私たちは人と人とのつながりを通して、さらに友情の絆を強めることができるでしょう。皆さんと一緒にウチナーのシンカの価値を子供たちやお互いに広めていきたいです。共に平和で持続可能な世界への創造に貢献しましょう」と呼び掛けた。
世界各地の県人会を代表して挨拶したブラジル県人会の高良津正会長は「大会の開催によってブラジルの県系コミュニティーと沖縄の結束が一層強固なものとなり、豊かな沖縄伝統文化を若い世代に伝えていく鍵になる事を信じています」と期待した。
その他、ゲストパフォーマンスでは昨年の東京五輪空手男子個人形で金メダルを獲得した劉衛流鳳凰会の喜友名諒さん、上村拓也さん、金城新さんがステージ上で形を披露。迫力のある演舞に、会場はこの日一番の拍手に包まれた。
大会は3日午後5時からセルラースタジアム那覇で行われる「閉会式・グランドフィナーレ」までの間、県内各地で世界のウチナーンチュを歓迎するイベントや交流会、沖縄の文化を学ぶワークショップなどが開かれる。