【那覇市長選】「身内対決」は自公推薦の知念氏に軍配 翁長氏に1万票差で初当選
- 2022/10/24
- 政治
翁長氏「子育て世代から理解得られなかった」
那覇市古島の教育福祉会館で支持者と共に開票状況を見守った翁長氏。開票率が上がる度に知念氏との差がじわじわと開いていったが、自身は表情は変えないまま。ただ支持者に落胆の色は濃く、沈黙した会場を重苦しい空気が支配していった。午後10時50分ごろ、メディア1社が知念氏に当確を打つと、会場には「あー」とため息が漏れ、翁長氏は口を結んだまま、結果を受け入れるように大きくうなづいた。
支持者の方を向き、マイクを握った翁長氏は「厳しい結果になりました。皆さんがこれだけ運動した中でこれだけ差が付くということは全て私の不徳の致すところです。本当に申し訳なかったです。ありがとうございました」と深々と頭を下げた。
敗因については、自身が訴えてきた「子育て日本一の那覇」について「出口調査の結果を見ると、子育て世代からなかなか理解が得られなかった」と分析。城間氏が知念氏を支持したことによる影響を問われると「彼女が政治家として判断したものについて私がどうこう言うものではないと思います。どういった影響か、と言われたら、差が付くという影響があったんじゃないですか」と苦笑いを浮かべた。
元々縁の深い知念氏との対決となり「とてもやりづらかったです。とても仲がいいんですよ、僕達。だから知念さんの批判だけはしないと心掛けてやってきました」と振り返った。今後の政治活動については「真っ白です。子どもたちにも確認しながら考えたいです」と語り、政界を退く可能性については「あります」と断言した。
選対本部長を務めた玉城デニー知事は、自身の力不足を謝罪した上で「負けは負けでしっかり受け止め、分析をし、応援していただいた方々にこれからの活動で恩を返していく。私たちの思いは決して崩れるものではない。辺野古の新基地建設は絶対に完成させない。誰一人取り残さない、日本一子育てしやすい街をつくる。どうぞ力を貸してください」と支援の継続を求めた。
翁長氏の今後については「翁長雄治の力はこれからだと思います。家族とじっくりと話し、また私たち、市民、県民と一緒に歩む時を心待ちにしたい」と期待した。
市議の辞職に伴い、同日に投開票された那覇市議補欠選挙(欠員1)には4人が立候補し、オール沖縄が擁立した前市議で無所属の永山盛太郎氏(58)が51,318票を獲得して返り咲いた。