Z世代ピッチコンテストで優勝 琉大3年の起業家・島袋優さん

 

壁にぶつかっても行動

 OrgaNectが「有機農家」「有機農業」にサービスを絞るようになったのは、仲が良かった西原町の農家が有機栽培をしていたのがきっかけだ。 

 二千坪の畑を毎日手入れするパワフルな農家だが、発信力不足や新販路開拓などが課題で、収益面で困っていた。「何かをしたい」。そんな思いばかりが強くなり、「有機」というキーワードを活かして力になりたいという気持ちが大きくなっていた。

 「他の有機農家も同じような課題を抱えているかもしれない」。イベントの中で島袋さんは、農家にインタビューして見えてきた、天候による問題や規格外作物の安値などの課題を挙げながら、悩みながらも行動し続けることで得られたチャンスに触れて話をした。

 「農家の課題を持続的に解決するためには社会で回る仕組みを作ればいい」、島袋さんは、農家のあらゆるところにマネタイズポイントを作ることを目的に「生産者の拡大」と「消費者の意識変革」を大きな軸として捉えた。

 会場には、いつの間にか立ち見のお客さんがフロアにも溢れ、島袋さんは「楽しく喋れた。(来場者も)楽しそうに聞いている感覚があった」と自身のピッチを振り返る。

 来場者の投票で島袋さんの優勝が決まると「びっくりして嬉しかった」と驚きを見せた。他の参加者については「データを用いた発表に説得力があって、自分にはない視点がたくさんあった」と感心し、自らの糧とする。

優勝商品を手にとる島袋優さん=東京都内

 島袋さんは「今していることは、誰とでも連携できる分野だと思う。私のピッチを聞いて、少しでもワクワクしてくれて、やりたいと思ってくれたら、私がピッチをした一番の意味だと思う」と優勝を喜んだ。

 今後について話を聞くと「(自社のサービスを通して)未来と価値を売っている。それが結果的に課題解決につながっている。世の中に課題が溢れている中で私は私にできる農業課題の解決に挑む。今後は、農家のマネタイズポイントを増やしていく商品作りをしていく」と話した。

<OrgaNect合同会社>
住所:沖縄県うるま市宮里62ー3
代表:島袋優、福原海里
HP:https://www.organect.com/

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