テラスホテルズ逆転負け、ホーム初勝利ならず ハンドボール女子

 
体制を崩しながらシュートを放つテラスホテルズの樋口怜於奈=7月23日、名護市の21世紀の森体育館(長嶺真輝撮影)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)女子のザ・テラスホテルズは7月23日、名護市の21世紀の森体育館で大阪ラヴィッツと今季第4戦を行い、終盤に逆転されて20-22で惜敗した。ホームで2022-23シーズンの初勝利とはならず、開幕4連敗となった。現在の順位は最下位の11位。次戦は7月30日午後1時半から、三重県の四日市市総合体育館で三重バイオレットアイリスと対戦する。

後半中盤から「堅守速攻」影潜める

 試合開始直後こそ2連続得点で先行を許したが、相手の利き腕を意識して守るテラスホテルズは徐々に守備が機能し始める。ポストを守る塩田真奈美を中心に簡単に得点を与えず、藤岡美希と樋口怜於奈の個人技や速攻で試合を優位に進め、前半を13-11で折り返した。

堅い守りでシュートをはじく塩田真奈美

 後半に入ってもリードを保っていたが、中盤から潮目が変わる。中山朋華主将が「相手が自分たちの守りに対して距離を取り、大きく回ってサイドなどを使い始めた。そこに対応しきれなかった」と振り返る通り、守備網を突破される場面が増えた。

 守備の崩れから前半だけで9本出ていた速攻が影を潜め、攻撃のリズムも狂い始める。「1人1人が『自分が行かないといけない』という気持ちが強くなり過ぎて、相手との距離が近くなってしまった」(樋口)とスペースの使い方が悪化し、約10分間にわたりスコアが凍り付いた。一時は4点あった点差を徐々に詰められ、残り約3分でついに逆転を許し、そのまま逃げ切られた。

沖縄出身上地「地元に恩返ししたい」

 大阪は6月の全日本社会人選手権で23-20で勝利した相手だっただけに、選手たちは一様に悔しそうな表情を浮かべた。

 後半の苦しい時間帯に好セーブを連発したチーム最年長34歳のGK田口舞は「勝つために足りないことがたくさんあった」と振り返る。まだ参戦2年目で経験の少ない選手も多いため「経験を積み重ね、各選手が自立し、成長していけば良くなっていくと思う」と前を向いた。

豪快なフォームでロングシュートを放つ上地涼奈

 チーム2番目に多い5得点を挙げた沖縄出身の上地涼奈は「まずは早く1勝をつかみたい。沖縄出身選手としても、地元に恩返しがしたい」と話し、飛躍を誓った。

 初参戦となった昨シーズンは1勝17敗で最下位の10位だったテラスホテルズ。今季はまだ白星を挙げられていないが、昨季より戦う姿勢が前面に出るようになっており、速攻やチームディフェンスも形になってきている。東長浜秀作監督も「勝ちに対する執念は昨季とは比べものにならない。勝利に向けて一つずつ階段を上っている」と好感触を語る。

ゴールを決めた選手を拍手で讃える東長浜秀作監督(中央)

 さらに「簡単に勝たせてくれる相手はいない。今日みたいに泥臭く試合を運ぶことが重要になる」とも語り、愚直に自分達のプレーをやり続ける必要性を説く。スローガンに掲げる「One Spirit,One Win」を胸に、飛躍を遂げたい。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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