飼料高騰で沖縄養鶏農家が苦境 鶏卵価格上昇も追い付かず

 
見奈須フーズで飼育されている成鶏=6月、沖縄県南城市

 ロシアのウクライナ侵攻などを背景とした飼料価格の高騰が、沖縄の畜産業界にも影を落としている。食卓に欠かせない鶏卵を生産する養鶏農家は、飼料が生産コストの7〜8割を占めるとされ、事態は深刻だ。鶏卵の取引価格も上がってはいるが、生産コストの上昇がそれを上回る。沖縄県養鶏農業協同組合の組合長を務める見奈須フーズ(南城市)の宮城哲治社長は「このまま高騰が続けば、自転車操業みたいになっていくのではないか…」とため息をつく。

飼料1トン当たり2万円以上増 「上がる要因しかない」

 成鶏用配合飼料の1トン当たりの小売価格は2020年まで10年近く8万円前後で推移してきたが、2021年に入ってから上昇基調に転化。同年4月に90,900円となって9万円代に乗ると、その後も上がり続け、2022年4月には遂に大台を突破して104,600円となった。

 2000年代初期は4万円台だったことを念頭に「上がり下がりの波はあるけど、中長期的に見れば右肩上がりです」と言う宮城組合長も、近年の急騰ぶりには「トウモロコシ、大豆、為替、原油などの輸送コスト。飼料価格を左右する4大要素が全て上がる要素しかない」と肩を落とす。

鶏舎の前で現在の経営状況などを説明する宮城社長=6月、南城市の見奈須フーズ

 見奈須フーズは約10万羽の成鶏を飼育しており、県内では大規模農家に当たる。月に300トンもの飼料を必要とするため、価格高騰の影響は計り知れない。配合飼料には国と飼料メーカー、農家が積み立てた配合飼料価格畜産安定基金があり、価格の上昇分を一定程度補填する仕組みがあるが、高止まりした場合は上昇幅が小さくなるため補填額は低くなっていく懸念もある。

 「ずっと上がりっぱなしだと財源も枯渇するし、以前にも本来の補填額を出せないケースがありました」と宮城組合長。現在、県内には約40の養鶏農家がいるが、生産コストの上昇を受けて廃業した人もいるという。

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