ドイツリーグで優勝、日独”連覇” 沖縄から日本のパイオニアに 女子バスケ・安間

 

日本人のインパクト残す

優勝を決めたアイスフォーゲルのメンバー。安間は中段の右から3人目(本人提供)

 東京五輪で銀を獲得する程のレベルの高さを誇りながら、個々の選手が世界的に評価を受けている訳ではない日本の女子バスケ界。実際、安間も「ドイツリーグも私が来るまでは日本人がここまでできるというの知らなかったと思います」と振り返る。

 安間のほか、今季から世界最高峰のリーグである米国のWNBAに町田瑠唯(ワシントン・ミスティックス)が挑戦しているが、まだまだ海外でプレーする選手は少ない。「日本人がちゃんとプレーできるというのは、やっぱり現地に行かないと見てもらえない。ヨーロッパであれば一国のリーグであっても、同じヨーロッパ内だから各国の人に見てもらえる。それが嬉しいんです」と笑顔を見せる。

 先駆者として、後進に対しての思いもある。「これから私がどんどん結果を残して『日本人使えるかも』と思ってもらえれば、絶対に他の選手も興味を持ってもらえる。今はヨーロッパでプレーする日本人がほとんどいないから、道を作っていきたい。そこを目指しています」

新天地でさらなる飛躍を 沖縄にも刺激

(本人提供)

 来季からは世界ランキング15位(今年2月時点)のイタリアのセリエAでプレーする。所属するウマナ・レイェ・ベネツィアは昨季17勝2敗でプレーオフに進出し、セミファイナルまで駒を進めた。WNBAの選手もプレーする強豪だ。

 アイスフォーゲルと同様に、ウマナ・レイェも日本人と契約するのは初めてだという。まだ語学力が十分とは言えない中で、限られた外国人枠を安間に使うということは、それだけプレーの質や積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が評価されている証しだろう。

 インサイドに高さや強さを備えた選手が増えることを想定し、プレーでは「プレッシャーを掛けてファーストブレイクに持っていくところは通用すると思うんですけど、2人目を抜いた後のゴール下のフィニッシュの種類とか技術は上げないといけない」とさらなる向上を見据える。英語についても「もっと自分の考えをはっきり表現できないといけない。そこも鍛えながら、自分がやることをやって、チームに貢献したいと思います」

 最後に、地元沖縄のファンに向けてのメッセージを求めると、心強い言葉が返ってきた。

 「今年は(Bリーグの)キングスがファイナルまでいってすごい沖縄のバスケが盛り上がってると思うんですけど、女子バスケにおいても、沖縄の1人の選手が海外でやってるということを知って、自分も頑張ろうと思ってもらえると嬉しいです。興味を持ってもらえたら、私ももっと頑張らないといけないなと思いますね」

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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