沖縄の海を守りたい 手作りのスゴロクで伝える地球に優しい生き方

 

自作の説明書

 魚やサンゴの絵を描いた消しゴムハンコを手彫りし、スゴロクの内容も絵も1人で考え出した。長年、海に関わってきた佐藤さんだからこそ作れたスゴロクゲームからは、海への愛が伝わってくる。子どもや大人も夢中になって遊んでいるという。

海のゴミの7~8割は街のゴミ

 日本財団と日本コカ・コーラ社が 2019年4月~同年12月にかけて行った調査によると、海洋ゴミの7~8割は街から川を伝って流れ出たものだという。

 佐藤さんによると、道路へポイ捨てされたゴミが風に飛ばされて用水路や川に落ち、時間をかけて海に流れ出る事も多いという。佐藤さんは海中のゴミの写真を見せながら、「ビーチクリーンは定着してるけど、日常生活で落ちている街ゴミにも目を向けてほしい。街ゴミを減らせば海も汚れない」と話した。

日本の海洋ゴミの多くは国内から

 沖縄県の調査では、2010年1月〜3月に沖縄県の海岸に流れ着いたゴミの量を30リットルゴミ袋で表すと、沖縄本島で2万8809袋、沖縄本島周辺の離島地域で8万2,927袋、宮古島諸島地域で5万9093袋、八重山諸島地域で11万7156袋、総計28万7987袋にもなるという。ゴミの種類は、ペットボトル、漁業用のウキ、使い捨てライター、サンダルが多く、その他、注射器や薬品の瓶、電球など危険ゴミも混じっていた。ビーチパーティーのゴミ、不法投棄、街の排水溝などさまざまな要因が沖縄の海を汚している。

生活ゴミを見直すことが第一歩

 佐藤さんは海を守るために、日常生活でもゴミ拾いを続けている。今1番気になるのは、屋嘉インターから石川向けに抜ける町道屋嘉60号線の不法投棄やポイ捨てされたゴミ。急カーブを終えた道路の真ん中に買い物袋に包まれたゴミがほぼ毎週落ちている。

 行政も立て看板を設置したり草刈りで不法投棄を防ごうとしているが、毎日のようにゴミが散乱しているという。佐藤さんは車が通らない時を見計らってゴミ拾いをするが追いつかず、イタチごっこ状態になっている。「ゴミの中身を見ると小麦粉の袋や病院から処方された薬など地元民の可能性も高い。すぐ側はウチナーンチュにとって誇らしい海。微量かもしれないけど小さな事が積み重なって海も守れる。皆にも気づいてほしい」と話した。

 5月30日はごみゼロの日。沖縄の綺麗な海を残せるか。県民1人ひとりの意識にかかっている。

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