残り0.5秒、劇的ブザービーターで勝利!! キングスが初のファイナル進出決定 島根に72-70

 

ファイナルの鍵は「我慢」

 これまで「鬼門」となってきた準決勝。生え抜き10年目の岸本は何度も跳ね返され続けてきた壁を突破した心境を問われ、「正直、不思議な気持ちです」と少し回答に困ったように話した。興奮冷めやらぬ様子で、まだ実感が湧かないのだろう。

リバウンドを奪うジャック・クーリー

 ただ、ファイナルの大舞台は目前に迫る。

 相手はレギュラーシーズンの平均失点がリーグで最も少ない鉄壁の宇都宮だ。CSでは東1位の千葉、東2位の川崎をいずれも2連勝で破る下剋上を果たし、キングスと同様に負け無しでファイナルに進出した。千葉、川崎は平均得点が90点近いにも関わらず、CSに入ってからの宇都宮の平均失点は約70点と脅威的な少なさを誇る。

 宇都宮の安齋竜三HCは「リーグで1番仲が良いHCで、CSに入ってからほぼ毎日電話してる」という桶谷HC。「ファイナルで会えたら最高」と話をしていたという。

 宇都宮はB1の初代王者で、昨年も準優勝を果たした強豪だ。キングスは今季、B1の歴代最高勝率で西地区5連覇を飾ったが、挑戦者の気持ちで最終決戦に臨む。桶谷HCは「宇都宮はタイトな守備をしてくるチーム。40分間何があっても仲間を信じ、やるべきことをやり通す。そこにフォーカスしたい」と強い決意を示した。

 「忍耐を続けた先に勝利がある」と気を引き締める岸本も「焦れったいゲームをいかに我慢して、自分たちの空気感でプレーすることがすごく大きなポイント。しっかり準備をして、東京で戦いたい」とファイナルを見通す。

味方を鼓舞する今村佳太(左)

 第1戦終了後に「みんなで東京体育館に行きましょう」と語った今村佳太は第2戦終了後に再びマイクを握り、満員の会場に呼び掛けた。

 「東京体育館を(チームカラーの)ホワイト&ゴールドで埋めましょう」

 初の”B”の頂点まであと2勝。「団結の力」を高めた選手とブースターが、東京へ乗り込む。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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