何度も繰り返す休業&時短 ”協力金格差”ですれ違う思い

 

 こうした事態から畠山さんは「行政が実態を把握できていないのが丸見えです」と批判する。「これまで講じられてきた施策の中で『協力金だけじゃ“足りない”』という夜の飲食店がたくさんあったわけです。もし本当に足りなかったとしたら、認証店として1時間長く営業してもっと稼ぐという方法もあったはず。行政が『足りない』という声を真に受けすぎたのでは」

 畠山さんがこのように言い切るのは、店舗の規模によっては協力金が十分すぎるほどあることを自身が実感したことに基づいている。昼営業の一部店舗も支給対象となった昨年5月から9月にかけて、畠山さんも休業協力金の支給を受けることができた。20席ほどある畠山さんの店舗では、大繁盛日で純利益が1~2万円だという。なので、1日4万円という協力金が入ってくる日々は「大黒字でした」と振り返る。ただ、その期間以外はコロナ禍のあおりを受け、赤字が続いていたため、トータルではかろうじてプラマイゼロに持ち込んだ状況だ。

 認証店辞退の動きについては「『そっちの方が儲かる』という本音に、国も県も気づけば良かったのに」と無念さをにじませる。

 当然、店舗の規模や状況によっては、協力金だけでは足りない店舗もあることに思いを寄せている。だからこそ「こんな状況が2年近く続いている。各店舗の売上は確定申告を基にしたらすぐ出せるはずなのに」と、適切な救済措置を求める。

沖縄県議会に陳情を出す畠山さん(手前右)ら有志メンバー=2021年4月(提供)

乱れた個人事業者の足並み

 金城さんは「一番嫌なのは…」と切り出した。「沖縄を盛り上げていこう、一緒に頑張っていこうと気持ちを一つにしていた個人事業者の横一線が乱れてしまったことです」

 現状が続いてくれた方が経済的に潤うと思っている店舗もあれば、コロナを乗り越えてかつての賑わいを取り戻したいと考えている店舗もある。営業時間帯や業種の違いで、コロナ禍での営業補償に差があることが、足並みをバラつかせる結果を招いてしまった。

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