沖縄県民有志、首里城火災で美ら島財団の管理責任を問う

 

 この「高度の蓋然性」とは1975年10月24日に下された「東大病院ルンバール事件」で用いられ、医療訴訟史上最も代表的な最高裁判決と言われている。同判決は訴訟上の因果関係の立証について、こう述べている。

 「一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつそれで足りる」

 つまりは、100%が求められる自然科学ではなく、経験からあらゆるアリバイをしらみつぶしにし、ある事実がある結果を招いたと認められる高い可能性を確かめるものであり、その判断は常識のある人が横やりを入れられないほど真に迫るものが必要であり、それ以上でもそれ以下でもない、といったところか。

県の答弁書「警備員らの活動に問題ない」

 対する被告の沖縄県は答弁書で、火災が正殿内で急拡大した原因について、「正殿の天井が低く、防火区画がなかったこと」、延焼の原因については「正殿や周囲の建築物相互の距離が近く、開口部が防火設備でない部分が多いこと」、煙が正殿内に拡散して警備員が火元に近づけなかったことをもって、「警備員らによる活動に問題はない」と述べている。

 次回口頭弁論は4月19日に開かれる。

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