沖縄県民有志、首里城火災で美ら島財団の管理責任を問う

 

 この「高度の蓋然性」とは1975年10月24日に下された「東大病院ルンバール事件」で用いられ、医療訴訟史上最も代表的な最高裁判決と言われている。同判決は訴訟上の因果関係の立証について、こう述べている。

 「一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつそれで足りる」

 つまりは、100%が求められる自然科学ではなく、経験からあらゆるアリバイをしらみつぶしにし、ある事実がある結果を招いたと認められる高い可能性を確かめるものであり、その判断は常識のある人が横やりを入れられないほど真に迫るものが必要であり、それ以上でもそれ以下でもない、といったところか。

県の答弁書「警備員らの活動に問題ない」

 対する被告の沖縄県は答弁書で、火災が正殿内で急拡大した原因について、「正殿の天井が低く、防火区画がなかったこと」、延焼の原因については「正殿や周囲の建築物相互の距離が近く、開口部が防火設備でない部分が多いこと」、煙が正殿内に拡散して警備員が火元に近づけなかったことをもって、「警備員らによる活動に問題はない」と述べている。

 次回口頭弁論は4月19日に開かれる。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1

2

友寄 貞丸

投稿者記事一覧

伊江村出身。1990年から主に中国、台湾の取材執筆活動を続ける。2014年11月Uターン。著書に『雲南哀楽紀行』(愛育社)など。国境を越えても一線を越えない旅と取材を信条とする。

この著者の最新の記事

関連記事

おすすめ記事

  1.  慰霊の日が近づくと、沖縄戦を語り継ぐことの大切さが毎年のように課題として挙げられる。戦後…
  2.  7月10日投開票の参議院議員選挙が22日、公示される。沖縄選挙区は現職の伊波洋一氏(70…
  3.  「月桃ゆれて 花咲けば 夏のたよりは 南風」-。鎮魂や反戦、平和への願いを込めた海勢頭豊…
  4.  国際通りの真ん中に位置するビル。エレベータを降りて2、3歩足を進めると、100席余のテー…
  5.  求人サイト「オキナビ」の運営などを行う株式会社プロアライアンス(大城佑斗代表)と沖縄県内…

特集記事

  1. 県庁
     今後10年の沖縄振興の指針となる新たな振興計画「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」(第6…
  2.  5月15日に東京と沖縄をオンラインで繋いで開かれた「沖縄復帰50周年記念式典」。壇上の大…
  3. 「沖縄県だけ特別措置を作ってもらっている現状をどう認識するのか。復帰50年を過ぎてもまだ国…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ