【後半】県海外職員が語る沖縄ビジネスの都市別進出優位性と課題

 

健康志向の高いタイの国民性

 タイの伊禮喬太委託駐在員は、コロナ禍において2019~20年にかけてEコマース市場が81%増と大きく伸びており、約1兆円規模となっていることを紹介。健康志向の人が多いタイの事情と合わせて「タイで物品販売をする際のキーワードとして『健康にいい』『日本にしかない』が興味を引く」という。

 そのことを沖縄にも当てはめながら「タイと沖縄は気候が似ている分、似たような商品もたくさんあります。『沖縄産で健康に良い』というブランディングができたら差別化ができます」とイメージ戦略もセットで取り組むことの重要性を述べた。このような「健康に良い」という沖縄のイメージと関連付けた、ウェルネスツーリズムへの相乗効果にも期待した。

世界に通用するマレーシアのハラル認証

 マレーシアは外国人にとって企業がしやすい国の一つだ。同国の中村直樹委託駐在員は、外国人だけで法人設立可能なことや法人税率が最大25%であること、海外送金の規制がないことをメリットとして紹介した。

 また、イスラム教の戒律に則って調理・製造された製品であることを示す「ハラル認証」について「マレーシアのハラル認証は世界的に見ても権威が高く、マレーシアで認証を取れればサウジアラビアでもどこでも販売できる」と解説し、世界中のイスラム教徒に向けた物品販売で有利に立てることなども紹介した。

 多民族国家のマレーシアは、中華系住民も4分の1程度と多く「沖縄料理の認知度はこれからだが、中華系の人にとっては豚料理は馴染みがあり、喜ばれる」と話し、食文化輸出にも可能性があるとした。

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