「八重山みんなの文化祭」SDGsシンポジウムを石垣島で開催

 
Baraque(バラック)オーナー・田中すみれさん

「シンポジウムってなんですか?」から始まった

 「やいまSDGsシンポジウム」で、物販やワークショップコーナー「やいま百貨店」の企画・プロデュースを担当する田中すみれさん。ベトナムのサンドイッチ「バインミー」をメインにオーガニックにこだわったヴィーガンメニューを楽しめる「Baraque(バラック)」(石垣市新川)のオーナーで、10、8、4歳の3人子育てをしながら、使い捨てごみや食品ロス問題などを解決すべく「持続可能な飲食店」を目指している。

 「『シンポジウムって何?』ってところから始まりました」と田中さんは笑いながら話す。
 飲食店を運営する中で、海への排水やホテル建設など、環境負荷への問題意識を持つようになった。畑仕事も始め、豊かな土がいつか枯渇してしまうのではという危機感もあったという。

「何より、私自身まだ知らないことがたくさんあります。まずはみんなで、何が問題で課題なのかを知ることが大切だと感じました

 イベントの趣旨に共感した田中さんは、2017年から「石垣サタデーマーケット」を主催してきた経験を活かし、つながりのある生産者や店舗を中心に地産地消やアップサイクルなどに取り組む事業者へ声をかけた。八重山産のオーガニックな素材を使ったヴィーガンメニューなどのフードや、環境に配慮した生活雑貨や民芸品など20店舗以上が出店することになった。

島の植物を乾燥させたものを編んで作られる昔ながらの民具も出店。「植物だけで作られる民具は、SDGsの真髄だと感じます」(田中さん)

 家庭では普段から環境について自然に会話をしており、田中さんや周りの大人たちの姿を見ている子どもたちも環境への意識があると話す。

「個人的には、専門家の方々の話を直接聞けるパネルディスカッションがとても楽しみです!『八重山を良くしよう!』と思いを持つ人たちが集まる『八重山みんなの文化祭』のようなイベントです。気軽にお越しいただけたらと思います」

 イベントでは配信チケットも用意している。

 前出の藤田さんは「文化祭前のような雰囲気で準備に奔走しています。持続可能な社会を実現するカギは地域にあります。イベントをきっかけに、自然資産を保護しながら地域を支える事業を生み出し続けるプラットフォームと“ローカルSDGs”の確立につなげていきたいです」と参加を呼び掛けた。

 コロナ禍で打撃を受けている沖縄の観光。数に頼るのではなく、質を高めて自然も人も楽しめる観光を官民ともに協力しながら作ろうとしている。八重山での一歩が、全国に広がればと願う。

■関連リンク
やいまSDGsシンポジウム WEBサイト
カフェ「Baraque(バラック)」(石垣市新川)

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