緊急事態は解除されたけど… 飲食店「コロナ前には戻れない」

 

業態で影響の濃淡がある時短営業

 那覇市内でバーを経営する男性店主は「やっとお店を開けられる、けど…」と複雑な表情だ。緊急事態宣言が全面解除となっても、沖縄県独自の措置に移行すると営業時間・酒類提供の時間帯には引き続き制限がかかることになる。
 ほとんどフードがなく酒をメインとするバーのような業態だと、認証を得たとしても営業時間が圧倒的に短い。一般的な流れでは居酒屋やレストランなどで食事をしながら酒を飲み、その後2軒目や3軒目でバーに行くので、客が入るのは午後9〜10時ごろの時間帯だ。

「今の時短の制限だと、のれんを出して2時間くらい経ってすぐ仕舞うことになります。たとえ5時くらいから開けたとしても、そんなに早い時間にはなかなかお客さんの足はバーに向かないですよ。もちろん来てくれる常連さんもいてありがたいんですが、平日は厳しいですね。仕事がお休みの人たちが早めに来られる週末だけの営業にしようか検討中です」(バーの男性店主)

「せめて午後10時まで」

 時短の営業時間帯については、酒類提供に制限がかかった当初から居酒屋や酒屋などから「午後8時では明らかに早すぎる」という意見が出続けている。とりわけ酒類提供の停止要請が出て外食では“禁酒”になったにもかかわらず感染者数増加を抑止できていない状況が明らかになった上、時短営業も酒類提供停止も守らない店も一定数出てきたことで、制限をきちんと守っている店舗側の不公平感・フラストレーションが募っている。

 制限を守らずに開店している店に人が集中して3密状態になり、そこで感染が広がっている可能性も否めない。こうした状況を受け、さまざまな業態の飲食店から「せめて午後10時まで」という切実な声が出てこざるを得ないのが現実だ。

 前出の男性店主は「パーテーションの設置の仕方や、お客さんが同居しているかどうかの確認など、店舗単位での感染対策チェックについても県の基準にはかなり曖昧な部分がまだまだあります」と指摘する。「コロナになって1年以上も経っているし、その中でも散々振り回されてきました。さすがにちゃんと営業できる環境を整えてほしいですよ」とこぼした。

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