コロナ経験から「自己責任では済まない」ゴリさん、知事と対談
- 2021/9/7
- 新型コロナ・医療
沖縄県のYouTube公式チャンネルで、玉城デニー県知事と県出身お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリさんのオンライン対談「コロナって自分の切実な問題なんだよ!ゴリより」が公開されている。新型コロナの感染防止に対する県民意識を高めるもので、東京から参加したゴリさんは、自らが新型コロナウイルスに罹患した経験から、県民に「感染すると自己責任では終わりません。他人の時間や人生も巻き込みます」と呼びかけた。対談は、玉城知事が進行する形で進められた。
想定外の「照屋さん、陽性です」
ゴリさんは「僕自身も感染前は『自分はコロナに感染しない方の部類だ』と高をくくっていたんです」と打ち明ける。ジョギングも筋トレもしていて、体力や健康には自信があった。ところが、いつもと変わらない朝を迎えたつもりが、急に咳が出て熱が37.5℃まで上がったために「(陰性を証明して)大丈夫だということを示すために、義務として抗体検査を受けた」という。検査を受けている最中も「今日の昼食は何を食べようか」と、まさか自分が感染するとは思っていなかったという。
「照屋さん、陽性です」―。そう言われた瞬間「陽性を告げられた時には『何か悪いことをしてしまったのでは』という罪悪感が襲って来たんです」
症状はまだ重くなっていなかったため、この時点では自分の体調は二の次だった。「誰と接して誰に移してしまったんだろうという恐怖で震えてくるんですよ。もし自分が接した相手が疾患を持っていて、自分のせいで症状が悪化したらとか、お年寄りに移して肺炎が悪化して命に関わるようなことがあったら、なんて考えてしまって」
恐怖は倍増「病院に来ても治す薬はない」
自宅療養が始まり、だいたい3日間でほとんどの人は熱が下がると聞かされていた。しかし、ゴリさんの場合は5日間も熱が下がらず、保健所から「肺炎になっている」と告げられた。本当の恐怖はここからだったという。「重症化が始まりだした時の恐怖がありました」
入院することになって、ゴリさんは「病院にいたら安心だ」と思っていたという。しかし、入院してからも「恐怖は倍増」することになった。医師がこう告げた。
「照屋さん、申し訳ないですがコロナの特効薬というのは今のところありません。病院に来ても治す薬はないので、自分の免疫力で闘ってください」
「子どもたちの人生を取り上げてしまった」
幸いにも回復して退院が叶ったものの、ゴリさんは自身がコロナに感染したことで家族や職場の仲間に影響を及ぼしてしまったことを悔やんでいる。
「子どもが濃厚接触者になって学校に行けなくて、入学式に出席できませんでした。子どもたちの人生を取り上げてしまったんです。自分だけじゃなく、いろんな人の人生に迷惑をかけてしまいました」
もう二度とこんな状況に戻りたくないという思いで、家庭でも職場でも念入りに感染防止のための行動を取るようになったというゴリさんは、ポケットに常備している消毒用アルコールを画面に映して示した。
玉城知事に県民へのメッセージを求められたゴリさんは「まだコロナを軽く考えている方も少なくないと思います。『かかっても自己責任だ』と思う人もいるかもしれませんが、自己責任だけじゃ終わらない、ということだけ頭の片隅においてほしい。他人の時間や人生をも巻き込みます」と警鐘を鳴らした。さらに「ワクチンもできれば2回打って頂きたいと僕自身は思っています。コロナが収束するにはみんなが同じ方向を見なければなりません。なんとかこの戦いにみんなで勝ちましょう」と締めくくった。