「機動力とハードワーク生かす」ボランチで躍動する平松昇・一問一答 FC琉球

 
中盤でボールをコントロールする平松昇=24日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 6月前半の2連勝で苦境を脱したかに見えたが、その後に2連敗で再び調子を落としたFC琉球。シーズンは中盤戦に入っているが、20チーム中16位と相変わらず低空飛行が続く。

 そんな中、5月中旬に喜名哲裕監督が指揮を執るようになってから先発に定着し、ボランチでハードワークを続けているのがMF平松昇(24)だ。攻撃にバリエーションを加え、存在感を増してきている。24日のホーム戦後、メディアの取材に応じた。

ボールの奪い所で「ズレ」

ー試合の総括を。

 「立ち上がりから自分たちでゲームを苦しくしてしまった。そこから全てが悪い方向に進んで、最終的に結果も内容も良くない形で終わってしまいました」

ー0ー3という結果に至った理由は。

 「守備の厳しさだったり、最後のボール際の局面で体を張るところ。戦術以前に、局面で戦う気持ち(の差)が結果に出たと捉えています」

ー最も修正すべきポイントは。

 「一人一人が違う方向を向かず、チームとしてやるべきことをしっかりやることです。根本的なところを修正すべきだと感じています」

ーチームとしてボールの奪い所に迷いがある印象を受けた。

 「取り所は、正直前半からチーム内でズレが生じていました。前から取りに行きたい選手と、後ろでもう少しステイしたい選手がいたので。そこを、僕みたいなボランチの選手がまとめるのも一つの役割です。行くなら行く、行かないなら行かない。全員に同じ方向を向かせる部分が、少し足りなかったと思います」

ー平松選手は「待ち」のシーンがいくつかあった。

 「そうですね。0ー1という状況になり、(前から)行きたいと思う気持ちももちろん分かるんですが、しっかり自分たちが(陣形を)コンパクトにした上で前から行くという形を、自分としては取りたかったです」

「距離感良くプレーしたい」

フリーキックを蹴る前に、ゴール前に視線を送る平松

ー攻撃ではシュートまで行ける場面も多かった。感触は。

 「早々に失点しましたが、自分の感覚の中では、慌てずにやればしっかりゴールに向かえているという感覚がありました。1点決めたら、引いてブロックするチームが多いので、自分でミドルシュートを打ったり、クロスを上げたり、いろんな攻撃のシチュエーションを出すことはできた思っています。あとはゴールまでつなげたかったですね」

ー一方で、ボールを繋ぐテンポが遅い場面もあった。

 「いい時は(選手同士の)距離感が良くて、自然とテンポが速くなるんですけど、失点して選手が前に出ていき、距離感が長くなると、自分がボールを持つ時間が長くなったりしてテンポが遅くなります。点差をあまり気にせず、チーム全体で距離感良くプレーできたらなと思います」

ー自身は出番が増えている。役割は。

 「監督変わってから、サイドハーフからボランチの役割をやらせてもらってます。自分の特徴である機動力やハードワークを生かして、引くだけじゃなく、前に絡んでいくプレーは評価されてると思っています。あまりボランチというポジションにとらわれ過ぎず、どんどんゴールに向かってくことや、チームにとって危ないところを消すハードワークの部分は、もっと出していかないといけないと思っています」


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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