“ハンド指導者×教員”新チーム「コラソンU-15」の初代監督・東江功子さんの強み

 
柔らかい表情で指導に当たるコラソンU-15の東江功子監督=5月、浦添市のANA ARENA浦添

 日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンが4月、「感謝」「自立」「夢・目標」をコンセプトに、ユースチーム「コラソンU-15」を新たに発足した。2020年に立ち上げたコラソンU-12に続き、運営するユースは2チーム目。国の方針として、今後学校の部活動の「地域移行」が進むことが見込まれる中、地域密着の球団として選手育成や子どもの教育により力を入れていく考えだ。

 ただ、スポーツ球団は技術指導では強みがあるが、教育面でのノウハウはほぼない。そこで白羽の矢が立ったのが、U-15の初代監督に就いた東江功子さん(60)だ。今年3月に定年退職するまで、30年以上に渡り教員とハンドの指導者を全うしてきた。教員として中学の校長まで務め、指導者としても全国優勝を経験するなど実績は十分だ。

 夫はコラソントップチームで監督を務める正作さん、長男はトップチーム主将の太輝さん、次男は男子日本代表主将の雄斗さん(ジークスター東京所属)。沖縄のハンドボール界をけん引する一家を正作さんと共に築いてきた東江監督が、第二の指導者人生へと足を踏み出した。

首里高でハンド始める 強豪の日体大へ

子どもたちのプレーに視線を送る東江監督

 東江監督は那覇市出身。同市の松島中学校時代は陸上部だったが、首里高校で友人と一緒にハンドボール部に入り、競技を始めた。当時はまだ沖縄でハンドが広く普及しているわけではなかったが、理由は「おもしろそう」というシンプルなものだった。

 入部当時は弱小チームだったが、指導者や同級生にも恵まれ、国体予選で県の頂点に立つなど結果を残した。体育教師を志し、その後は日本体育大学へ。4年間で全日本学生選手権大会(日本インカレ)を3度制覇するほどの強豪チームにあって、在学中に出場機会を得られることはなかったが、国内トップクラスの環境に身を置く中で収穫も多かったようだ。

 「基本的な部分では高校の先生も大学の先生も言っていることは一緒でしたが、技術や戦術においては、大学で『なるほど』と感じる部分は多かったです。ハンドボールの理論を深く学ぶこともできました。個々のレベルが高く、一つ一つのプレーに対する厳しさはすごかったです」

 卒業後、すぐに帰省して那覇中学校の体育教師として教員人生をスタート。1987年に沖縄で開催された海邦国体では成年女子の主将も務めるなど自らもプレーを続けながら、勤務する先々の学校で子どもたちの指導を続けた。

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