東洋大が完全優勝!宮古島大学駅伝 青学大など強豪4チームが初参加

 
優勝した東洋大3区の奥山輝選手。宮古島の青い海を背に坂道を登る=2月12日、宮古島市内(長嶺真輝撮影)

 3回目の開催となる宮古島ワイドー・ズミ大学駅伝大会(5区間、98.2km /同実行委員会主催)が2月12日、宮古島市陸上競技場を発着点に行われ、初出場の東洋大が2位の東海大に6分6秒の大差を付ける5時間21分19秒で頂点に立った。起伏の激しいコースに加え、この日は快晴で気温が25度まで上がり、海岸沿いには強風が吹くという過酷な環境下だったが、東洋大は全4カ所の中継所をいずれも首位でタスキをつなぐ完全優勝だった。

 大会名にあるワイドーは宮古島の方言で「頑張れ」、ズミは「素晴らしい」「かっこいい」といった意味がある。 

合宿誘致が目的 ”箱根ファン”が注目

午前9時の号砲と同時にスタートを切る選手たち=宮古島市陸上競技場

 宮古島への合宿誘致などを目的に2020年から始まった同大会は、これまでも島内で合宿を張っていた立教大と芝浦工業大、宮古選抜チームで行ってきた。今回からは日本の大学スポーツの花形である「箱根駅伝」を後援する報知新聞社が実行委員会に入り、各チームに参加を呼び掛けたことで、今年1月の箱根で3位の青山学院大、5位順天堂大、10位東洋大、15位東海大の強豪4チームも新たに参戦し、立教大2チームと芝浦工大を合わせて計7チームが健脚を競った。沖縄・宮古選抜もオープン参加した。

 距離は1区18.9km、2区21.3km、3区20.0km、4区20.0km、5区18.0kmの計98.2km。強豪チームの参戦に加え、国内の学生長距離界最長の駅伝競走である箱根駅伝の片道とほぼ同等の距離があるため、”箱根ファン”から注目を集めた。

沿道に多くの人 選手も応援に感謝

発着点となった宮古島市陸上競技場に集まった地元民ら

 陸上競技場に集まった多くの地元民が見守る中、レースは午前9時の号砲と同時にスタートした。1区では陸上の世界選手権にも出場歴のある立教大の上野裕一郎監督が立教大Bで出走し、序盤からレースを引っ張った。しかし上り基調となる後半に暑さの影響もあってか大ブレーキとなり、東洋大の九嶋恵舜が快走を見せて59秒26で区間賞を獲得した。

 2区の小林亮太が後続との差をさらに広げると、3区の奥山輝、4区の村山太一も追随を許さず。多くの貯金をもらったアンカーの菅野大輝は独走状態で競技場に戻り、両手の人差し指を立てながら歓喜のゴールテープを切った。レース中、沿道からは多くの人がランナーたちに拍手や声援を送ったため、菅野は「『東洋頑張れ』などすごい声援を受けたので、いい駅伝になりました。地元の方に感謝を伝えたいです」と笑顔で語った。

「第四の大学駅伝に」地元のレベル向上に期待も

 国内の大学駅伝では「箱根」「出雲」「全日本」が三大大学駅伝とされる。

 そんな中、今回実行委員長を務めた宮古島市陸上競技協会の本村邦彦顧問は「宮古島駅伝を第四の大学駅伝にしたい」と壮大な目標を掲げる。閉会式では「来年以降、この大会をもっと大きな大会にしたいと思います」と展望。島内の学生もオープン参加したことを念頭に「これまで宮古からは過去に1人だけ箱根を走った選手がいますが、今回子どもたちが箱根を走る皆さんの走りを直に見たことで、2人目、3人目が輩出できるんじゃないかと思います」と期待感を示した。

 一方で、取材に対して「大会後半では運営がバタバタしてしまったので、もっと早めに取り組んで万全な状態にしたいです」とも話し、各チームの出場定着に向けて安全対策など体制強化の必要性を指摘した。

大会成績は以下。

★最終順位

①東洋大学   5時間21分19秒

②東海大学   5時間27分25秒

③立教大学A   5時間28分20秒

④青山学院大学 5時間30分58秒

⑤順天堂大学  5時間37分06秒

⑥立教大学B   5時間44分52秒

⑦芝浦工業大学 5時間55分59秒

★区間賞

1区・18.9km 九嶋恵舜(東洋大学)59分26秒

2区・21.3km 國安広人(立教大学A)1時間10分47秒

3区・20.0km 越 陽汰(東海大学)1時間5分16秒

4区・20.0km 村上太一(東洋大学)1時間5分55秒

5区・18.0km 水野龍志(東海大学)58分11秒


長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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