沖尚、9年ぶりに秋季九州大会制覇!明治神宮大会の切符つかむ 高校野球
- 2022/10/30
- エンタメ・スポーツ
来春の第95回選抜高校野球大会(春の甲子園)の出場校を決める参考資料となる秋季九州大会(第151回九州大会)は29日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで決勝を行い、沖縄尚学(沖縄1位)が長崎日大(長崎1位)に8-5で勝利し、9年ぶりの優勝を果たした。九州地区のセンバツ出場枠は4校であり、沖尚の出場はほぼ確実と見られる。
沖尚は11月18日に東京で開幕する明治神宮大会への出場権も獲得。11月19日に今夏の甲子園で優勝した東北地区代表・仙台育英(宮城県)との初戦に挑む。
4人の投手が継投 逆転勝利呼び込む
エース東恩納蒼がベンチスタートの中、三回までに3点を奪われた沖尚。さらに打線もタイミングの取りずらい相手投手に序盤は封じ込められていたが、2巡目に入った四回表で攻勢に転じる。先頭の1番・知花慎之助が中前打で出塁すると、後続が犠打と死球でチャンスを広げる。1死一、二塁となり、4番・仲田侑仁から3人連続の適時打で一気に追い付いた。
四回裏の守りですぐに1点を勝ち越され、ここで勝敗を分ける場面が訪れた。マウンドにいたのは2番手投手の照屋希空。連続四球などでさらにピンチが続き、2死満塁となった。これ以上追加点を許したくない場面で、照屋は長崎日大の3番・豊田喜一に対し3ボールノーストライクと押し出しの危機を招くが、ここから持ち直して三振を奪い、最小失点でこの回を乗り切った。
試合後、比嘉公也監督が「押し出しだと思ったけど、三振でよかった。試合のポイントとしては、あそこしか覚えていないです」と振り返った程の勝負所だった。
その後、七回表に4連打で3点を奪い逆転。七回裏からは東恩納が満を辞して登板し、残り3回を1失点に抑えて逃げ切った。
3安打4打点と大活躍を見せた2番・佐野春斗主将は「準々決勝、準決勝と劣勢から逆転勝ちし、今日も自信を持ってゲームに入っていけました。東恩納が長いイニングを投げられない中、投手陣が5失点にとどめてくれたので、なんとか援護したかった。チーム力で勝てた勝利でした」と4人の投手が継投しての勝利を満足げに振り返った。
センバツに向けさらなる成長誓う
準々決勝、準決勝と連続でサヨナラ勝ちを収め、決勝も逆転勝ちし、大会を通して優れた粘り強さを発揮した今大会。チームは出場がほぼ確定的な来春のセンバツに向け、さらなるレベルアップを見据えている。
主将として「メリハリを心掛けている」という佐野は「ヤンチャが選手が多いので、その分チームとしてまとまった時にすごいエネルギーになる。まだまだ完成してないので、いいチームにしていきたいです」と成長を誓う。
明治神宮大会は、前回出場した9年前は頂点に立った沖尚。比嘉監督は「神宮大会の時期はセンバツよりも寒いので、センバツに向けてこれくらいの寒さで試合をするということを感じることができる。あと、何が他のチームに追い付いていて、何が足りないのかを見極めたいです」と大会の経験を成長の糧にしたい考えだ。東恩納に続く2番手投手の育成のほか、打線の底上げもテーマに掲げる。