「働きたくない」「経営が不安定」沖縄観光、コロナ禍でイメージダウン

 
コロナ禍で閉店した店も少なくない国際通り

 沖縄県は8月1日、沖縄県民を対象とした「2021年度沖縄観光に関する県民意識調査」の結果を発表した。観光産業に対する意識を問う項目では、未就業者が観光産業で「働きたい」「やや働きたい」割合は17.1%で、2019年度の前回調査から5.7ポイント減少した。加えて「働きたくない」「あまり働きたくない」と答えた割合は50.9%と約半数を占めた
 観光産業のイメージとして「経営が不安定」と回答した割合は約3割。県は「仕事内容にプラスイメージを抱いている一方で、勤務形態や待遇面への不安があらわれる結果となった」などと分析しており、新型コロナウイルスの感染拡大による打撃をもろに受けた観光産業のイメージダウンが如実に示される結果となった。

観光産業への就業意向についてのグラフ(県の発表資料より、以下同)

就業意欲の低下が浮き彫りに

 未就業者の子どもがいる人に対して、観光産業で「働かせたい」「やや働かせてみたい」を合わせた「働かせたい層」の割合は12.3%で、前回から7.7ポイント減った。また「働かせたくない層(あまり働かせたくない+働かせたくない)」は36.7%に上り、前回から6.9ポイント増。観光産業への就業意欲の低下が浮き彫りとなっている。

 働かせたくない層が観光産業のイメージとして回答したのは「休みが取りにくい」が約半数を占めていたほか、「経営が不安定」「体力的な負担が多い」「残業が多い」「待遇が悪そう」「離職者が多い」といった項目が挙がった。

 これに関連して、宿泊や旅行・レジャー、土産品製造販売、運輸・旅客などに携わる観光産業従事者の職業満足度では、「とても満足している」「やや満足している」で計57.0%と半数を超えているが、観光業以外の産業従事者と比較すると「とても満足している」が少なく、「まったく満足していない」が多かった。

 職業別では旅行・レジャーでは「満足している層」の比率が75.8%と高い一方で、宿泊や運輸・旅客では「満足していない層」が2~3割の数値を示しており、業種によって満足度の違いが出ている。

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