比嘉さん金城さん家族リレー 沖縄の運動会?いいえボリビアです
- 2022/5/29
- 国際
幼稚園の頃から当たり前に学校行事としてあった運動会。実は、運動会は日本の学校教育の特徴的な部分で、海外の多くでは行われていない。そんな中、南米ボリビアで運動会が行われている学校がある。オキナワ第一日ボ学校だ。同校では、日本や沖縄の文化を大切にしながらも、ボリビアの文化を取り入れた運動会が行われている。
ボリビアにはない学校行事
ボリビア東部のサンタクルス県。沖縄県系人ら約900人が暮らす「コロニア・オキナワ(オキナワ村)」の中心地に、オキナワ第一日ボ学校(1987年創立)がある。幼稚園から高校まで一貫したカリキュラムで、午前はボリビアの義務教育に沿った授業をスペイン語で受け、午後は日本語の授業が行われている。
ボリビアの学校では運動会がないため、毎年4月頃に行われる同校の運動会は、現地の人から驚かれることが多い。逆に、海外の学校でも運動会が行われていると思っていた筆者は、ないことに驚いた。今や、同校の運動会は、魅力ある学校行事。運動会があるからこの学校に入学させたというボリビア人の親もいるほどだ。
見慣れた運動会の光景
5月1日。この日は運動会日和の快晴。運動場には万国旗が飾られている。幼稚園児から高校生まで全校児童生徒122名が、各学年ごとに足並み揃えての行進入場で開会した。今年のテーマは「今日がその日だ!チームワークは勝利の道!」。子どもや孫の活躍を見ようと、地域から多くの人が集まった。
実は、この日のために、生徒達は一ヶ月前から運動会の時間割を組んで練習をしてきた。日本の運動会と同じように、本番に向けて何度も行進やダンスの練習を重ねてその成果を出し切る。同校では、日本語を学ぶこと以外に、日本の行事や文化、習慣が学べる運動会を重要視している。
運動会の定番曲「ゴーゴーゴー」熱唱
プログラムは、全20種目。全校生徒を紅白に分けて点数を競い合う構図は同じだ。
種目のはじまりは、運動会の歌「ゴーゴーゴー」による応援合戦。日本語を習い始めた低学年の子どもたちも一生懸命全力で歌う。
筆者の学校でも同曲での応援合戦だったので、思い返して懐かしい気持ちになった。毎日のように何度も練習させられ、紅白どちらとも歌詞を今でも覚えているほど思い入れのある応援合戦を、まさか異国の地・ボリビアで見られるとは思ってもいなかった。
騎馬戦、玉入れなど定番種目も
定番種目は日本の運動会と変わらない。徒競走に総力リレー、騎馬戦、玉入れ、大玉転がしだ。
まさかと思う人もいると思うが、流れてくる曲は、日本の運動会で有名なクラッシック名曲、「クシコスポスト(ヘルマン・ネッケ)」、「道化師のギャロップ(カバレフスキー)」、「星条旗よ永遠なれ(スーザ)」などの定番曲だ。
「タタタン、タタタン、タタタタタン」とつい駆け足になるアップテンポの曲調に闘争心を掻き立てられる。
何も考えずに見ていると日本にいるかのような感覚だ。かと思えば、高学年、低学年別の「ボリビア民族ダンス」の披露が始まると、ボリビアにいることにハッとさせられる。