キングス西地区5連覇達成 リバウンド制し2位島根に93ー82 Bリーグ
- 2022/4/24
- エンタメ・スポーツ
プロバスケットボールBリーグ西地区の琉球ゴールデンキングスが23日、地区5連覇を決めた。
地区優勝マジック2の状態でホームの沖縄アリーナに迎えた相手は、キングスを6.5ゲーム差で追う2位島根。頂上決戦らしく序盤から点の取り合いとなったが、リバウンド力で勝るキングスが13点リードで前半を折り返した。後半は点差を詰められる場面もあったが、キングスが93ー82で逃げ切った。最終的にリバウンドの本数で40対27と圧倒し、ゴール下を制したことが最大の勝因となった。通算成績は44勝5敗。
試合終了後には地区優勝セレモニーが開かれ、リーグの島田慎二チェアマンから優勝賞金1千万円と記念の盾がチームに贈られた。会場には6513人が詰め掛けた。
地区1位を決めたキングスは、8チームがトーナメント方式で年間王者を争う5月の「チャンピオンシップ(CS)」において、準々決勝と準決勝をホームで戦う権利を得た。
改めて証明した「3ビッグ」の破壊力
CSの前哨戦とも言える大一番で存在感を発揮したのは、今季日本国籍取得選手の小寺ハミルトンゲイリーが加入したことで可能となった「3ビッグ」。小寺に加え、体の強さと高い機動力を備えたアレン・ダーラムとドウェイン・エバンスが同時にコートに立ち、ゴール下に厚みを持たせる戦術だ。
5点リードで始まった第2クオーター(Q)の開始から1分弱。この3人が入ると、徐々にキングスに流れが傾き始める。
小寺とダーラムがオフェンスリバウンドを立て続けに取ったり、エバンスが一人速攻でファウルを受けながらレイアップを沈めたりして差を二桁に広げる。さらにこのクオーターの終盤には、相手の日本国籍取得選手、ウィリアムス・ニカをファウル3つに追い込み、主導権を握った。
3ビッグの一角を担うダーラムは、この戦術の強みをこう解説する。
「3ビッグではリバウンドに手応えを感じている。守備でもスイッチが多用でき、攻撃でも早い展開のバスケができる。他のチームの3ビッグと比較して機動力も高い」
岸本 勝負所の強さ健在
50ー37で迎えた後半だが、リーグ屈指の強豪である島根も追いすがる。エースのペリン・ビュフォードを中心に得点を重ね、最終第4Qの残り約7分で7点差まで詰め寄られた。
ここでタイムアウトを取り、悪い流れを絶った桶谷大HC。脳裏によぎったのは、第4Qだけで6つのターンオーバーを記録し、1点差で逆転負けを喫した17日の名古屋戦だ。ベンチに戻った選手たちに、冷静な言葉で語り掛けた。
「キラーパスはいらない。慌てず、しっかりシュートを打って攻撃を終わろう」
プレーで応えたのは、キングス生え抜き10年目の岸本隆一だ。試合再開後、初めのオフェンスで右コーナーからスリーポイントを射抜くと、7点差に戻された後にまたもスリーに成功。最終盤にもファウルを受けながらレイアップを決めるなど、このクオーターだけで12得点の活躍をみせ、勝利を手繰り寄せた。
今季、同様な場面で幾度となくチームを救ってきた岸本。「ワンプレーの影響力が大きくなればなるほど、いかに舞い上がらずに冷静でいられるかを意識している。シュートが落ちても味方がリバウンドを取ってくれると信頼しているので、割となんとかなると思ってます」と勝負強さの秘訣を語った。
「団結の力」でリーグ初優勝へ
試合後、ファンの前でマイクを握った桶谷HCは、負傷により離脱している田代直希主将、渡邉飛勇、牧隼利の3人に触れ「ここにいないメンバーの気持ちも踏まえて戦わないといけない。彼らを含めてのキングス。全員が同じ方向を向けている」とチーム力の高さを誇る。
初のBリーグ制覇に向けて「団結の力」を掲げるキングス。その「団結」の輪には、当然ファンも含まれる。それだけに、CSの準決勝までをホームで戦える権利を得たことは大きい。
「(CSを勝ち上がるためには)ファンの力が間違いなく必要。皆さんと一緒に一つ一つ勝ちを積み上げ、日本一になりたい」
桶谷HCが挨拶をそう締めくくると、アリーナに盛大な拍手が鳴り響いた。