大学野球も熱い!! 沖縄の大学からプロで活躍する選手が現れる日を期待
- 2022/4/11
- エンタメ・スポーツ
沖縄水産高校野球部が沖縄県高校野球春季大会で25年ぶりの優勝に沸いた4月9日、コザしんきんスタジアムでは、大学野球で熱戦が繰り広げられていた。
これは第107回九州地区大学野球選手権南部九州ブロック大会沖縄地区予選で、4月2日から24日まで、名桜大学・琉球大学・沖縄大学・沖縄国際大学の4チームが勝ち点方式のリーグ戦で争う。優勝チームは、沖縄地区代表として熊本県で開催される決勝リーグに進出できる。
昨年は、決勝リーグが沖縄県主催だったため、名桜大と琉大の2校が進出できたが、今年の九州への切符は1枚のみである。
シーソーゲームを変えたのは
9日の第一試合は沖国大対琉大。先制したのは、昨年決勝リーグで大逆転勝利をもぎ取った成長著しい琉大だ。2回裏、唯一の2年生平野修一郎選手が内野安打で出塁すると、送りバントで進塁、その後、喜屋武祐真選手の右翼適時打で鮮やかに1点を先制した。
一方、沖国もすぐに相手の失策を逃さず同点に追いついた。4回裏、琉大は先頭打者の田中生基選手が意表をついたセーフティーバントで出塁し、盗塁で揺さぶりをかけ、相手のバッテリーミスを誘って勝ち越すと、5回表に沖国も負けじと黒田健太郎選手の3塁打でチャンスをつくり、前田亮選手の左翼適時打で2−2の同点とした。
そんなシーソーゲームの流れを変えたのは、7回表の琉大の守備だった。2死走者2塁で沖国大の安里啓志選手が外野に放った大飛球を、左翼の平野選手が一直線に落下地点に入り捕球したのである。もし抜けていれば・・・という場面、本人もビックリの超美技に、ベンチも大いに盛り上がった。その後、琉大はまたもや相手のミスを誘って3−2と勝ち越し、接戦をものにした。
風が強くて入っちゃうんじゃないかと
試合後、琉大先発の田中投手は「楽しもう、笑顔で投げようと思ってマウンドに立ちました。秋と春も沖国大と対戦しているので打者を研究して、今日は打たせてとるから守ってと仲間にお願いした。あの飛球を捕ってくれたのが大きかったです」と信頼している仲間を称えた。
攻守で貢献した平野選手は「風が強くて(スタンドに)入っちゃうんじゃないかなと思ったけど、捕れて安心しました。外野の先輩たちが常に声を掛けてくれて守備位置を確認していましたから」と最年少のムードメーカーは胸を張った。
森太陽主将は「練習からランナーを付けてノックをしたり、常に実戦方式で練習しています。試合前、ミスをしないようにやろうと話したくらいです。投手のリズムも良かったので守りやすかったし、大飛球も『あ〜おわった〜』と思ったら捕ってくれて、勝って良かったです」。ほっとした表情でそう話した。
宮城政也監督は「昨年勝ったのがまぐれと言われたくない、どうしても勝ちたかった。田中投手がよく投げてくれた。2回に比嘉(教貴)がファールで粘って粘って球数を投げさせたり、4回の田中(生基)のセーフティーバントも自分で考えてやってくれたし、よくやったと思う。この春で最後の4年生もいるので、思い切りプレーしてほしい」と選手の成長に目を細めた。
「目指すところはプロ」
第2試合は、名桜大対沖大。沖大はドラフト候補とも言われている4年の仲地礼亜投手が登板。この日の最速147キロの直球と持ち味のスライダーで打者を翻弄し、5回に四球を出して1失点したものの、4回までは走者を出さない圧巻のピッチングを見せた。攻撃では、3回に相手の失策と足を絡めて7得点、6回にも1点を追加し、8−1で7回コールド勝ちを収めた。
仲地投手は試合後「思った通りに投げられなくて、あまり良くなかったです。5回に突然2四球を出したのは、投げ急いだと思う。持ち味の変化球が決まらなくて・・・」と反省の言葉が次々とこぼれた。
大城貴之監督は「コールド勝ちですけど、相手のミスの得点ですから。チャンスがもっとあったのにタイムリーが出なくて。繋いで繋いで守備で粘り強くというチームなので、内容はあまり良くなかったですね」。と課題を挙げた。そして仲地投手に関しては「これまで接戦が多かったので、(突然の四球に)4回まで完璧で色気が出たのかな。もう少し安定感が欲しかったね」と今後に期待を込めた。
沖大は、昨年6月の全国大学野球選手権に出場し、東京ドームで愛知の名城大学に0−1で敗戦している。その時先発した仲地投手は149キロを計測し、堂々たるピッチングで注目を集めた。「目指すところはプロ野球。金子千尋投手(日ハム)のようなピッチャーになりたい」。
沖縄の高校出身プロ野球選手が活躍する昨今、沖縄の大学からプロで活躍する選手を見られる日も近いかもしれない。