「沖縄の監督たちからも指導を受けた」九州大会準優勝の大島高校野球部監督
- 2022/1/21
- エンタメ・スポーツ
昨秋の秋季高校野球鹿児島県大会で、奄美大島の大島高校(大高)は全6試合中4試合でサヨナラ勝ちし、奄美大島勢で初優勝を遂げた(詳細は〈めざせ大高 二度目のセンバツ 沖縄県内の奄美出身者も応援〉https://hubokinawa.jp/archives/10546を参照)。
ハンデを負った離島勢の県大会優勝で21世紀枠はほぼ確実と言われていたが、九州大会準々決勝で沖縄第1代表の興南高校を3―0で完封しベスト4に進出。実力で一般枠出場をほぼ確実にした。準決勝では球数制限でエース大野を欠きながら、中断40分を含む3時間強の激闘を制した。最大5点差をひっくり返しての大逆転劇だった。決勝では九州国際大付(福岡)に6-12で敗れたものの胸を張る準優勝だ。本大会に照準を合わせ勝負の時を待つ同校野球部の塗木哲哉監督に話を聞いた。
コロナ禍でも実戦練習できた
――8年前に初出場した時は身体能力が高くて、打球も足も速かったのですが、走塁ミスなどが多く粗削りな印象を受けました。しかし逆転、サヨナラの県大会に続き、九州大会でも「粘りの大高」の本領を発揮しました。コロナ禍で閉塞感が漂うなか勇気づけられた人々が多いと思います。
「運が良かったのかもしれません。コロナ禍で鹿児島本土では行動制限が強くかかる学校もあるなか、奄美でまずまずの実戦練習ができたし、8月中旬までは練習試合もある程度こなせたのが結果につながったのだと思います。前年は逆にこちらは満足な練習ができずに大会を迎えていたんです」
――それにしても、洗練された勝負強いチームですね。
「エースの大野が夏から秋にかけて力が向上し、緩急をつけたピッチングができるようになり、きっちり投げてくれました。武田や前山、西田、有馬、中(あたり)らが前のチームから試合に出ているので、試合勘もあったと思います。それと要所要所をしっかり守ってくれました」
――よく鍛えられた印象を受けます。一朝一夕でできるものではないですね。
「8年前は21世紀枠でしたが『今度は実力で行こう』を合言葉に選手も地域もその思いを共有し、世代ごとにつないできました。それ以後の県大会では常にベスト8に進出し、ガクッと落ちる年はなく持続してきて、それが今回ポンと跳ね上がったのだと思います」