沖縄県、県内旅行喚起策を15日から開始 感染対策との両立目指す
- 2021/11/5
- 新型コロナ・医療
沖縄県の玉城デニー知事は4日、県庁で会見し、県内旅行需要を喚起する「おきなわ彩発見キャンペーン第4弾」を15日から段階的に開始すると発表した。県は、新型コロナウイルスにより打撃を受けている域内経済の回復と、感染対策の両立を図るとしている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、沖縄では5月23日から9月末まで131日間、国の緊急事態宣言が発令されていた。2021年度上半期(4~9月)の入域観光客数は136万4200人で、前年度同期比1.4倍となったものの、新型コロナウイルスが感染拡大する前の2019年度比では約25%にとどまる厳しい状況が続く。
県は、10月を「経済活動再開に向けた感染拡大抑止期間」、11月は「リバウンド防止と社会経済活動の両立期間」と位置付け、これまで行ってきた独自の規制を徐々に撤廃してきた。11月からは、飲食店などへ行っていた時短要請も解除している。
今回のキャンペーン開始は、観光産業へのてこ入れとなる。10日から販売を始め、同一島内の宿泊旅行は15日から利用可能で、島をまたぐ旅行での利用は感染状況を見極めた上で26日からの開始を予定している。予算額は約59億円を計上し、9日の県議会臨時会で審議する。
同キャンペーンでは、同居家族と4人以下で利用する場合は、新型コロナウイルスのワクチン接種証明やPCR検査陰性の証明は不要とする。修学旅行を除いて一部屋5人以上で宿泊する場合や島をまたぐ旅行では証明書の活用を条件とし、感染拡大の防止を図る。
玉城知事は、感染状況が再び悪化した場合について、「直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)が25人を基準として、それを超えた地域を限定してキャンペーンの一時停止などの対応も検討する」との見解を示した。県によると、4日時点での同数値は県内平均で3.10人という。
ワクチン接種も呼び掛け
4日の会見では、ワクチン接種について、県が目標としていた10月末までに県民全体の1回目のワクチン接種率70%(104万人以上)とする目標に対して、2.5%届かなかったことも明らかになった。玉城知事は、「現時点で希望している多くの人には接種が行えた」との認識を示した。
県は、未接種者が積極的に接種できる体制を確保するとして、7日にサンエー那覇メインプレイスで、ファイザー社製のワクチン接種を行う。那覇市民は接種券がなくても接種可能で、他市町村在住者も接種券を持参すると接種が可能という。
また、10月31日に期限を終了した県の広域ワクチン接種センターで、1回目の接種を12日から再開する。9日から県コールセンター(098-943-2993)か、県ホームページの広域接種予約サイトで受け付けを開始するという。
玉城知事は「若い人の中には、ワクチン接種に対するさまざまな考え方があるが、重症化などに一定の効果があると言われるワクチン接種については、できるだけ検討してほしい」と呼び掛けた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)