「しくじりから学ぶSNS」 玉城県議の投稿はなぜ批判されたのか

 

 この玉城県議の投稿に「山形をバカにしている」と批判が集まり、Twitterだけでなく県議会事務局や玉城議員のところに抗議や批判が届いたとのことです。

 玉城県議は24日に赤嶺議長宛に謝罪文を提出し、該当の投稿を削除。その後、Twitter上でも謝罪投稿を行なっています。

ハイリスク・ハイリターンな「皮肉・嫌味」表現

 前置きが少し長くなりましたが、ここからが本題です。玉城県議の投稿について分析してみます。

 批判された投稿は三つのセンテンスで構成されています。

  1. 普天間飛行場をぜひ山形へ。
  2. オスプレイだけでなく、様々な軍用機が観れるし、頻繁に外来機の戦闘機も飛来します。
  3. オスプレイだけで混雑する山形空港の新たな観光資源になるのでは

 玉城議員が謝罪した投稿でも述べているよう、3のセンテンスにはかなり「皮肉」のニュアンスが含まれています。
 米軍基地負担という視点で見ると沖縄県が全国一で、対する山形県には米軍基地がありません。
 一方、観光という視点だけで見ると、「観光立件の沖縄県議が山形県をバカにしている」と汲み取ることもできる表現です。

 玉城議員は沖縄の「基地負担」を念頭に皮肉を込めた投稿を行った。しかし、その中の「山形空港の新たな観光資源になるのでは」の部分から山形県民は「沖縄と違い観光地に乏しい地域だろうからオスプレイでも見ておけ」というニュアンスを感じ取った、という所でしょうか。

 嫌味や皮肉、風刺の類は共通の価値観や認識を持っている人たちには上手く伝わり、笑いや溜飲を下げる効果があります。
 しかし、共通の認識を持たない人やそもそも(政治的な意味合いを含む)考えが違う人、あるいは文脈から切り離されると途端に伝わらなくなり、「イラッ」とさせる効果もあります。

 政治家からすると、皮肉表現を用いることで、少し難しい政治の話を身近に感じてもらい有権者からの支持を集める可能性がある一方、不特定多数の人に拡散され、文字数に制限のあるTwitterではその皮肉の意図が伝わりにくい。ハイリスク・ハイリターンな表現だといえます。

「炎上」することが、米軍基地問題を体現?

 玉城県議の投稿には批判だけでなく、応援メッセージや肯定的な反応もありました。それらは概ね「普段から沖縄は米軍基地によるトラブルの被害を受けているから、嫌味の一つも言いたくなる」といったものでした。

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