有権者は市政継承を選択 うるま市長選 知事選への動きも加速
- 2021/4/26
- 政治
低投票率で無党派層取り込めず(照屋氏)
「投票率が60%ぐらいあれば、また違う結果になっていただろう」。相手候補の当選確実の報を受けた後、報道陣に向かってこう述べた照屋氏。玉城デニー県知事らが応援に駆け付ける中、固唾を飲んでテレビのニュース速報を待ち続けていたが、午後11時28分、県紙2紙が中村氏に当確を打ったことが伝えられると、硬い表情を崩すことができなかった。
現職の島袋俊夫市長の後継として、現職支持層や企業・団体などの組織票をしっかり固めた中村氏陣営に対し、照屋陣営は「市民が主役の選挙戦」を掲げて無党派層の取り込みに注力してきた。しかし投票率は過去最低の55.49%で“基礎票”の戦いになったことが逆風となり、接戦をものにすることができなかった。
失業率は県内11市でワースト、住民の平均所得は41市町村中40位との停滞したうるま市の現状に、照屋氏陣営は「相手候補が国政とのパイプを強調しても、そのパイプが詰まっているからこの現状を打破できない」としてコロナ対策や経済振興策も前面に押し出した。さらに、行政学や政治学を37年間研究してきたことも強みに掲げていたが、2月15日まで照屋氏が大学で現職教員をしていたことから「十分運動する期間がなく、追いつくことができなかった」(照屋氏)と悔しさをにじませた。
「みなさんにだいぶ奮闘してもらったが、残念な結果になってしまい大変申し訳ない。選挙の結果であり民意なので最大限に尊重したい。これからは一市民として市政の発展に関わっていけるよう頑張りたい」と述べると、支持者からは大きな拍手で労いを受け、花束を手渡された。
中村氏に対しては「市民に開かれ、民意を反映した市政運営を、何が何でもやってほしい」と要望した。