“地域”でサポート!コザハンドボール協会の挑戦
- 2021/4/4
- エンタメ・スポーツ
「中学で全国優勝、高校で準優勝とすごく楽しい思い出ばかりです。その一番の要因はチームワークで、仲間が助け合って(コザ)高校の時には専門の先生がいなくて部員10人で始めました。練習をしっかり頑張ろうと、お互いで厳しくし合ったし励まし合いました。その仲間がいたから全国でも上位に行けたし、よく結婚式とかでみんな集まりますよね。余興とか、そういう時にも一番にかけつけてくれる。祝福してもらいたい時も、きつい場合も励ましてくれるのは仲間たち。この素晴らしさを一番に生徒たちに教えたいと思っています。大事なのは高校で部活動が終わってもうバラバラではなくてそのあとにもっと大人になって厳しいことが待っている。それを助け合えること。(教え子)みんなの人生に自分自身も関わっていきたいから、そういう意味でもずっと繋がりをもっていようねということを伝えているつもりです」
受け継がれる体験と情熱
現在、県内の小中高校のハンドボールでは、浦添市出身選手やチームの活躍が目覚ましい。神里さんら沖縄市の指導者たちも浦添の取り組みを学ぼうと”コザクラブJr”をはじめ小学生チームを立ち上げ、「中頭地区小学生大会」を開催。さらに地元中学、高校の指導者とも連携をとりながら地域ぐるみでの強化を図ってきた。その結果、2018年には美東中学校女子が春の全国選手権で初優勝を果たしたのを始め、九州や県内大会でも上位争いのできるチームが育ってきている。
この強化との両輪が、“教え子たちが戻ってくる”環境づくりだ。小学生大会で審判を務めたのは、自分たちも小学生の時にこの大会に出場していたOBたちで、日本ハンドボール協会の公認審判員のライセンスを取得したメンバーだ。そのうちの2人に話を聞いた。
神里大会委員長の息子で現在はパーソナルジムのトレーナーを務め、いまも社会人チームでプレーする26歳の神里昂大(かみざと こうだい)さんは、ハンドボールを楽しませてもらっている恩返しを語る。
「勝ちを目指すこともそうなんですけど、僕らは楽しく練習に取り組んで、厳しいと感じた時もみんなで雰囲気を盛り上げていかに楽しくやるかということで考えてやって、それで結果もついてきました。伝えると言ったら大げさですが、(社会人の)自分たちがちょっとずつ関わっていければハンドボールを楽しくやってくれる人たちが増えるのではないかなと」
24歳の平良圭(たいら けい)さんは建設会社の営業職の傍ら、後輩の育成をサポートしている。ハンドボールが大好きだという気持ちは社会人の今も変わず、一生懸命熱中できることを子どもたちにも大切にしてもらいたいと考えている。
「必ず結果がついてきた訳でもないし、優勝した経験もそこまでないのですが、いろいろな人と関わることができて、今でもそうです。交流の場というか、交友関係が広がったのが(ハンドボールを)やってきて一番良かったと思うところです」