「須藤春輝」って何者? BリーグオールスターでU18からただ一人…

 

「17歳として桁外れ」田代主将が驚愕する人間性

キングスU18の仲村匡世アシスタントコーチ(右)から指導を受ける須藤=12月24日、沖縄アリーナのサブアリーナ

 プレー、メンタルの両面でチームを引っ張る須藤に対し、コーチ陣の信頼も厚い。

 キングスU18の仲村匡世アシスタントコーチ兼通訳は「彼がスキルズチャレンジに選ばれた一番の理由は、リーダーシップとバスケに取り組む姿勢だと思います。彼は常々プロになりたいと公言して、そのために何をしたらいいかを考えています。今後プロを目指す中で大きな壁はたくさんあると思うので、先輩たちから多くのことを学んでほしいです」と語り、国内トップ選手と交流できる貴重な経験を将来に生かしてほしいと願う。

 12月24日にあったキングス対レバンガ北海道戦後の記者会見では、トップチームの桶谷大HCが「彼はまとまりのあるいいポイントガード。若い内は少しくらいワガママになっていいから、どんどんチャレンジして、他人が想像できないレベルの選手になってほしい」とエールを送った。

 須藤が慕う田代にも印象を聞くと、内面性を高く評価する答えが返ってきた。

 「まわりの選手を助けようとする彼の姿勢と、全体を見る力は17歳にしては桁外れです。たまに『プロかよ』って思うくらい。同じキャプテンとして多少なりとも共感できる部分があるので、僕なりの助言をしています。ただ、僕のアドバイスがあってもなくても、今後も彼らしく突き進めば絶対プロなれると思うし、プロになった先でいろんなチームが欲しがる選手になれると思います」

トップ選手との交流で技術学ぶ

試合中にチームメートとコミュニケーションを取る須藤©️琉球ゴールデンキングス

 富樫や河村の存在を念頭に、同じ小柄なポイントガードとして「もしプロになれたら、小さい選手に希望を与えられるような選手になりたい」と展望する須藤。沖縄出身の並里成(群馬クレインサンダーズ)の名前も挙げ、「自分の強みはドライブなので、並里選手のように躍動感のあるプレーで見てる人を魅了し、時にはゲームコントロールもできるガードになりたい。スタッツに残らないところでもチームに貢献できる選手になりたいです」と自らの将来像を描く。

 オールスターでは「待ち時間の間とかにトップ選手たちとたくさんコミュニケーションを取りたいです」と話す。「特に富樫選手は身長2メートルの相手とかでも全然動じないプレーをするので、どういった視点でゲームコントロールをして、シュートを打つ時にどんなことを意識してるのか聞いてみたいです」と目を輝かせる。

 普段から「このゴールドのユニホームを着ることは当たり前じゃない」と自戒しているという。本番に向け「U18でもキングスを背負っている以上は、勝ち負けよりも見てる人にどう影響を与えるかを常に意識しています。内容にこだわりたいです」と意気込みを語った。

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長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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