FC琉球、天皇杯1回戦を突破 ホームで三菱水島FC(岡山県)に2ー1

 
前半12分、先制点を決めて仲間と喜び合うFC琉球のケルヴィン(中央)=21日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(長嶺真輝撮影)

 サッカーJ3に所属するFC琉球は21日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで天皇杯第103回全日本選手権の1回戦に臨み、社会人の中国リーグに所属する三菱自動車水島FC(岡山県代表)に2ー1で勝利した。MFケルヴィンが先制点を挙げた後に一度は追い付かれたが、後半にDF柳貴博が勝ち越し点を挙げた。15日に倉貫一毅前監督が解任されて以降、初めての公式戦となり、喜名哲裕スポーツダイレクター補佐が暫定的に指揮を執った。

 琉球は6月21日、熊本県のえがお健康スタジアムでJ2のロアッソ熊本と2回戦を行う。

走力と球際の強度が停滞 後半に活性化

中盤で相手にプレッシャーをかけるFC琉球の選手たち

 試合開始から中盤のボール争いで激しく当たり、攻撃でピッチを広く使って主導権を握った琉球。度々シュートも放ってゴールの臭いが漂い始めると前半12分、右コーナーキックで競り合い、こぼれ球に反応したケルヴィンが右足でゴール右のサイドネットに突き刺して先制点を挙げた。

 しかし、その後は徐々に球際の強度や走力が落ち始め、相手のカウンターも効果を発揮して徐々に流れが傾き始める。すると前半33分にほぼプレッシャーがない状態で右サイドから鋭いクロスを上げられ、ニアから強烈なヘディングシュートを浴びて同点とされた。 

 それでも喜名監督が「スペースを作るという言葉だけが先走って動きが見受けられない部分がありました」とハーフタイムに改善を求め、後半は徐々に動きが活性化。後半36分に浮き玉を柳が右足でダイレクトで合わせて勝ち越し点を奪い、白星を手繰り寄せた。

喜名監督 ディフェンスの「緩さ」指摘

暫定的に指揮を執るFC琉球の喜名哲裕監督

 J3で20チーム中17位と苦しい状況が続く中、「勝利」はこの上ない結果ではあるが、アマチュアチーム相手の辛勝は今のチーム状況を端的に表している。

 喜名監督はチームの勢いが停滞した時間帯を振り返り、「走力の部分、球際の部分で現状として問題があるところが明らかに前半で出てしまった印象でした」と振り返る。一方で、サイド攻撃などは機能したため、「ある程度いいシーン、クロスからチャンスはつくれたので、そこは評価していいと思います」と語った。

 リーグ戦で大きな課題の一つとなっているディフェンスについては「なんとかなるだろうという緩さや、ボールを寄せてオーケーだとかという感覚はリーグ戦では通用しないので、選手たちにもっと求めていくことが必要だと思います」と話し、改善を誓った。


長嶺 真輝

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ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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