【豊見城市長選】3人が立候補、出発式&出陣式で選挙戦開始
- 2022/10/2
- 政治
10月9日に投開票される豊見城市長選は2日に告示され、届け出順に、NPO法人沖縄国際人材支援センター理事で無所属新人の辻内岳晴氏(42)、2期目を目指す無所属現職の山川仁氏(48)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=、前市議で無所属新人の徳元次人氏(41)=自民、公明推薦=の3氏が立候補した。うち、山川氏は豊見城市役所前で出発式を、徳元氏は豊見城市高安の選挙事務所前で出陣式を開き、1週間後の勝利に向けて気勢を上げた。
豊見城市選挙管理委員会によると、10月1日時点での選挙人名簿登録者数は24,520人。
山川氏「政策をしっかりと市民に伝えたい」
山川陣営が出発式を行った市役所前の交差点には、テーマカラーのライトグリーンの衣服を身に着けた支援者たちが駆けつけた。秋晴れというよりも夏のような日差しが照りつける中、玉城デニー知事をはじめとする応援弁士とともに山川氏は道行く有権者市民にアピールした。
「この4年間の実績は、私ではなくて市民が市民サービスへの思いを真心込めて作り出したものだと思っています」。そう切り出した山川氏は、コロナや物価高騰といった厳しい経済状況の中で「若い人たちから高齢者の方々の思いを重く受け止め、豊見城市の未来に向けて行政運営に携わっていきたいと考えています」と強調した。
山川氏は「今回の選挙では、政策をしっかりと市民に向けて伝えたい。そして子どもたちの未来についても語り合いたいんです」と続け、市民が自ら「この政策なら投票に行きたい、未来を託したい」という思いを持つような豊見城市を目指すと訴えた。
また、山川氏の市長としての勤務ぶりについてのビラが市内各所にまかれていることに言及し、「疲弊した職員が休職しているなどと記載がありますが、市の職員に関してはハラスメント等で休職・退職した人はおりません」と述べた。
応援で登壇した玉城知事は「1期4年間、市民こそ主役ということで山川さんは職員と頑張って、しっかり実績を積み重ねてきました。1期目で築いてきた確かな足どりを、さらに1段階上げて力強く施策を推進していくためにも、市民の皆さんにぜひとも力をかしてほしい」と呼びかけ、エールを送った。
徳元氏、保守市政奪還で「絶対に幸せに導く」
徳元陣営の出陣式では、西銘恒三郎衆議院議院や今井絵理子参議院議院の他、宜保晴毅前豊見城市長、島袋大沖縄県議らが応援演説に立った。集まった支持者の中には、白地にイメージカラーの水色で「HAPPINESS」の文字がプリントされたTシャツを着る人の姿も目立った。
徳元氏は、2018年まで20年間続いた保守市政の功績に触れながら「(1999年に出された)財政非常事態宣言がずっと続いた中でも、市長報酬や職員の給料をカットしながら、ゆたか小学校の新設や市役所新庁舎建設、学校の立て替えなど、本当にお金がかかることをたくさんやってきたんです。(現市政となった)この4年間ではなくて、それ以前にみんなが頑張ったからです」と声を張った。
集まった支持者に向けては「耐えられないぐらいの熱い思いを受けて私はこの選挙戦を戦うことができています。最高のチームです。本当に誇りに思います」と感謝した上で「豊見城を絶対に幸せに導いて参ります」と決意を述べた。
応援演説に立った宜保前市長は「(徳元)次人が勝てば、沖縄県内11市のうち10市が保守系市長となります。そうなると県を飛び越えて国と交渉できます」と、政府との直接的なパイプ構築の重要性を話した。古謝景春南城市長は「現職候補は医療費無料化を訴えていますが、なぜこの4年間で実施できなかったのか。私ども南城市にもそれができる余裕はありません。地方交付税があって初めて市町村は運営できます。“貯金”がないのにバラマキをするということは信じないでください」と相手候補を批判した。
辻内氏「政党間闘争からの脱却」
辻内氏はネグレクト(育児放棄)、不登校、孤独死、パワハラといった社会から異を予防する行政の推進・強化を訴えている他、英語・中国語の学習支援、情報処理能力開発支援を政策に挙げている。どの政党からの支援も受けない完全無所属として市政刷新を掲げており「旧来型の政党間闘争からの脱却を目指す」としている。