格闘技イベント「RIZIN」が2度目の沖縄開催! 宮城寛克が沖縄県勢ただ1人の白星
- 2022/7/3
- エンタメ・スポーツ
格闘技イベント「RIZIN(ライジン)」が7月2日、沖縄市の沖縄アリーナで行われ、沖縄県勢8人が出場した。キックボクシングルールで戦った宮城寛克(赤雲会)が吉野友規(STURGIS新宿)に3-0で判定勝ちを収め、県勢でただ1人の勝者となった。沖縄の総合格闘技界を長らく牽引してきた現パンクラスストロー級王者の砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE)は、中務修良(NO MAD)に1ラウンド1分40秒でTKO負けを喫した。ライジンの沖縄アリーナ開催は昨年11月に続き、2回目。
強烈右フックでダウン奪う 宮城
口元をぎゅっと結び、引き締まった表情でリングインした宮城。ニックネーム「琉球の雷獣」。吉野とは以前、練習で拳を合わせたことがあり「その時は試合で対戦するとは全然思わなかったので、すごく複雑な気持ちでした」と振り返る。
試合開始から身長で10センチ以上上回る相手がワンツーやローキックで主導権を取りに来るが、怯まない。前に出て右フックを連発すると、片膝を着かせてスタンディングダウンを奪う。「手応えはあった。『勝てるかもしれない』と少し欲も出たけど、セコンドから『焦らず行け』という声が聞こえて、その後も焦らず戦えました」
言葉通り、第2ラウンド以降もボディやローキックを織り交ぜたバランスのいい攻撃を繰り出していく。接近戦の際に相手の後頭部にパンチが入り、口頭注意を受ける場面もあったが、ガードをがっちりと固めながら最後まで攻め続けた。結果、判定員3人が30-27と同スコアを付けて判定勝ち。1ラウンドでTKO勝ちを収めた昨年に続き、地元沖縄アリーナで2連勝となった。
「ライジンを沖縄で開催してくれて、本当に感謝の気持ちでいっぱい。沖縄はまだまだ強い選手がたくさんいるので、みんなで沖縄格闘技を盛り上げたい」と展望する宮城。周囲から「ライジンに出られるのうらやましい」との声掛けもあると言い、「自分も絶対出てやるという気持ちで、上がってきてほしいです」と周囲の選手を鼓舞した。
砂辺「まだ戦いたかった」 悔しさのあまり咆哮
「まだ戦いたかったです」。試合後、悔しさを滲ませる砂辺が率直な思いを語った。
43戦もの戦歴を積み重ねてきた砂辺に対し、相手の中務は今回が12戦目。試合後の「砂辺さんめっちゃ強いので、めっちゃ怖かったんです」という中務の言葉が示すように、砂辺に分があるとの見方が大勢だった。しかし、波乱が起こる。
試合開始から約1分。左右のフックからタックルを仕掛けられた砂辺はコーナーポストを背にしてテイクダウンを奪われる。立ち上がった相手に膝蹴りやパンチを浴び、そのままレフリーが間に割って入って試合を止めた。意識もはっきりしていて、闘争心も衰えていなかった砂辺は「まだやれる!」と何度もアピール。当然結果が覆ることはなく、悔しい敗北となった。
試合後の会見。「相手に恨みがある訳でも、レフリーに何か思いがある訳でもない。ただ戦いたい。今でも戦いたい」と話す砂辺には、やりきれない思いが充満していた。プロデビューから21年。沖縄の総合格闘技界を背負い、一線で体を張り続けてきた。42歳ながら、闘争心は衰えを知らない。「ライジンが沖縄で開催され続けるためには、沖縄の選手が勝って、応援団が盛り上がることが恩返しになると思う。諦めず、またオファーがあれば戦います」と前を向いた。