琉球キングス 今も色褪せぬ東日本大震災への思い
- 2022/3/14
- エンタメ・スポーツ
東日本大震災から11年が経過した11日、プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは、東北を拠点とするチームに在籍したことのある桶谷大ヘッドコーチ(HC)とキングスU18の与那嶺翼HCのインタビューを公開した。いずれも震災直後の被災地を訪れたり、被災者と交流を図ったりしてきた自らの経験に触れ、プロスポーツチームの存在意義や震災被害を継承することの大切さなどについて語った。
桶谷さん「岩手のために」 他チームオファー断りHCに
2011年3月11日午後、震災発生時、当時もキングス(当時はbjリーグ所属)のHCを担っていた桶谷さんは空の上にいた。飛行機でアウェー戦に向かい、到着した空港のテレビで大地震が起きた事実を知った。「本当に大変なことになっている」。試合は中止になり、チームは翌日すぐに沖縄へ戻った。
ホームアリーナが被災した仙台89ERSなど3チームがシーズン中の活動休止を決め、リーグ戦は中断。休止チームの選手を救済するリーグの臨時措置を受け、仙台から志村雄彦(現仙台89ERS球団社長)がキングスに入団した。チームは県内各地のショッピングモールで義援金の募金活動を行った。
時間の経過と共に、リーグは再開に向けて動き出していったが、桶谷さんの心境は複雑だった。毎日のように木村達郎キングス社長と「日本が未曽有の危機に直面している状況で、本当にバスケをしていていいのだろうか」と話していたという。それでもプロスポーツチームの存在意義は「スポーツの力で少しでも多くの人へ希望を届けること」という結論に達し、日々の練習や試合に全力を注いだ。