一緒に考える“街づくり” 沖縄市こども議員任命式 8月に質問

 

 沖縄市では今年で9回目となる「こども議会」の議員任命式が23日に行われた。市内の中学生や高校生に、行政や街づくりへ関心を持ってもらおうという取り組みだ。今回は市内の中学1、2年生19人が参加している。「議員」たちは初めて市役所内の議場に入り、制服姿の少し緊張した面持ちで市長や市議会議長などが出席した式に臨んだ。

2014年からスタート 中高生の視点を市政に

 式では桑江朝千夫市長から、こども議員一人ひとりに任命状が手渡された。真剣な表情で受け取る中学生議員たちは、これから8月末に開催される「こども議会」に向けアドバイスを受けながらフィールドワークや勉強会に参加し、質問や提案を考え、練り上げていくことになる。

昨年の事例は

 去年はこども議員それぞれが関心を持つ分野ごとに4つの会派がつくられた。ある子ども議員からの「1人暮らしの高齢者と、保護者の留守中に家で留守番をする子どもたちがお互い交流できる場をつくることで、寂しい思いをする人を減らせるのではないか」という提案には、市から「こども議員のみなさんと協力して活動したい」という答弁を得た。また、中高生が厳しすぎると感じる“ブラック校則”について尋ねる質問では「学校を取り巻く環境などを踏まえて見直す必要はある」など市側の考えを引き出している。

市長「真正面から答えを出します」

 任命式のあと、今年のこども議員を前に桑江市長が挨拶に立った。今後こども議員から受ける質問に対して「15名の部局長を揃えて、質問に真正面からぶつかってしっかりと答えを出していきます。全ての人が幸せになるために我々は一生懸命働いていきます」と敬意を込めた。さらに「この沖縄市の課題を見つけてください。そしてどう解決するか探って下さい。一緒になってこの沖縄市づくりができれば本望であります」と激励した。

議員の意気込み

 市長挨拶や議会の雰囲気を体験し、行政に関わる人たちの仕事をすごいと感じたと話してくれたのは越来中学校1年生の川畑篤生議員だ。「議会は思ったより広くてとても緊張しました。(市の)産業とか自分の住んでいる地域や歴史を中心に勉強していきたいと思います」

 また美東中学校2年の宜保美音議員は、友人の姉がこども議員を経験し楽しかったという話から自身も参加を決めた。沖縄アリーナやモータースポーツのフィールドなどが揃う市にアートの視点を求めている。「例えばスポーツのアクティビティだけではなくて、絵を描くのが好きな人が楽しめるような施設をつくったりだとか、(いろいろな)子どもたちが活躍できる場をつくれたら一番かなと思います」

こども議員、引き続き募集中

 沖縄市では引き続き市内の中学生、県内の高校生を対象に“こども議員”を募集している。問い合わせは沖縄市役所こども企画課 098-939-1212(代表)


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