2021沖縄の災害を振り返る(上)「全国初」の情報が2つも
- 2022/1/1
- 社会
2021年が終わり、2022年が幕を明けた。昨年も各地でさまざまな災害が発生した。例年必ず発生する台風や大雨による災害の他に、新型コロナウイルスの影響や地震、そして現在も続く軽石漂着など、2021年に沖縄県内で発生した主な災害を2回に分けて振り返る。
なおこの記事では、気象庁や関連する省庁、また各種の報道や研究機関が発表した災害に関する情報を参照している。
「全国初」の情報が2つも
気象庁は、例年新たな気象情報の提供を開始している。その中で昨年から開始された「顕著な大雨に関する情報」と、同じく昨年から全国での運用が始まった「熱中症警戒アラート」に関して、沖縄での発表が全国初となった。
【顕著な大雨に関する情報】
「顕著な大雨に関する情報」は2021年6月17日に運用が開始された。開始後の6月29日02:49に、沖縄気象台が「顕著な大雨に関する沖縄本島地方気象情報(第1号)」を発表し、全国で初めての発表例となった。
この情報は、非常に激しい雨が降り、災害発生の危険度の高まった場合に発表される情報で、もし発表された場合には、市町村が発表する避難の情報を確認し、適切な避難行動を取ること、とされている。夏になると、よく入道雲が発生して急な大雨が降ったり、落雷や竜巻などの激しい突風が起こるが、これが数時間に渡って続く状況を思い浮かべると分かりやすい。
【熱中症警戒アラート】
もう一点は、昨年から全国での運用が開始された「熱中症警戒アラート」。こちらは2020年に関東甲信地方の1都8県で試行が行われ、その後検証を経て、昨年4月28日に全国での運用が始まった。こちらは5月11日17:00に「八重山地方熱中症警戒アラート(第1号)」が全国運用後初の情報として発表された。
なお、夕方に熱中症警戒アラートが発表されるのは不思議かもしれないが、これは熱中症の危険性が極めて高いと予測される場合に前日17時と当日の朝5時に発表する、という運用のためで、この時も翌日12日05:00にアラートの第2号が発表されている。