若い経営者の主張で九州二位 アセローラフレッシュの並里さん
- 2021/11/5
- 経済
本部町でアセローラの生産・加工・販売を手がける農業生産法人株式会社アセローラフレッシュの並里康次郎さん(33)=本部町商工会青年部副部長=がこのほど「第44回若い経営者主張発表大会沖縄大会」で最優秀賞の県知事賞に選ばれた。その後、沖縄県代表として出場した九州大会では、2位に入賞した。並里さんは「青年部活動を通して学んだ当事者意識」と題して発表。先輩たちからの叱咤激励などから経営者としての意識が育まれていったことなどに触れ「(父からの)事業承継の際に抱いたテーマ『家業から企業へ』の実現をしていきたい」と決意を述べた。
本部町のアセローラ農家に生まれて
並里さんは、観光名所である沖縄美ら海水族館があり山と海の自然に囲まれた人口約13000人の小さな町、本部町で生まれ育った。現在、農業生産法人株式会社アセローラフレッシュの社長として、アセローラの生産・加工・販売を手がける6次産業を推進している。
今年で 33年目を迎える事業所は、並里社長の父・康文さん(故人)が「日本国内で自然栽培が出来る唯一の地域が沖縄県」という特性に光を見出し、「本部町の新しい産業にしたい」という想い一つで、6年かけて独自の栽培方法を確立。賛同した町内8軒の農家と共に生産を開始した。
もともとは家業には関心のなかった並里さんだったが、大学入学間もない頃に父が急死。「母の力になりたい」と平日は学業、休日は家業を手伝う日々を過ごしてきた。
母の代わりに県外出張に行くなど、様々な経験を通して、「故郷・本部町で頑張りたい」と思いが芽生え、大学卒業と同時に正社員となり、2018年に母・哲子さん(現会長)から事業を承継して社長に就任した。
「若い経営者主張発表大会」とは
並里さんが所属する商工会は、全国に1700ヶ所。県内では34ヶ所にある。商工会青年部連合会が毎年実施している「若い経営者主張発表大会」は、青年部活動を通じて得た自らの経験や成果、意見を発表し、相互に研鑽する事により、商工会次代を担うリーダーとしての意識を高める。また、若手経営者・後継者としての資質の向上を図り、地域活性化に資することなどを目的としている。