ゼロエミッション宣言どう実現? 沖縄電力トップに直撃

 

――石炭火力はバックアップ電源としては残るのでしょうか。

本永 2030年から2050年にかけては、具志川、金武の石炭火力発電所が運転開始から40年を超えてくるので、新しい発電機に置き換える必要が出てきます。また、再エネの比率を高めていく中でも、石炭火力は調整力としてやはり不可欠な電源ですので、そこも踏まえたゼロエミッションに移行していきたいと考えています。

 先ほどのアンモニアや水素の混焼の他に、石炭火力の新しい技術として、石炭をガス化して、ガスタービン、蒸気タービン、燃料電池を組み合わせて複合発電を行う発電方式(IGFC)もあります。そういった技術の動向も踏まえながら、それが沖縄にも導入が可能なのか、さらにはアンモニアや水素の混焼がどこまで実現できるのか。2050年までの過程で検証しながら沖縄に導入していきたいと思っています。

 いずれもチャレンジすることに、やり甲斐はありますが、一方で、ハードルも高く、コストダウンも図らなければなりません。ただ、ゼロエミッションの実現は、業界をあげて目指していることです。イノベーションを重ねながら、乗り遅れないようにしっかり進めていきたいと思います。

もとなが・ひろゆき
1963年生まれ。那覇市出身。88年慶大経済学部卒、沖縄電力入社。2013年取締役総務部長、15年代表取締役副社長、19年から現職。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:
1 2

3


関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ