SDGs認知・取組、電通沖縄と琉大が調査

 

 株式会社電通沖縄(那覇市)はこのほど、琉球大学観光産業科学部・国際地域創造学部の観光経済・統計ゼミと連携して実施した「SDGs認知・取組調査」の結果を公表した。県内の学生と企業が対象で、昨年11、12の両月に実施した。SDGsの県内での認知状況や、推進にあたっての課題を浮き彫りとすることが狙い。県内企業がSDGsの重要性を認識しているものの、全県的な取り組みが進みにくい現状が表面化した。

SDGsのビジネスマッチングにニーズ

 沖縄県内の企業64社と学生182人から有効回答を得た。SDGs(持続可能な開発目標)とは,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」「気候変動に具体的な対策を」など17のゴールを掲げている。

 企業対象の調査で「すでにSDGsに取り組んでいる」ないし「取り組むことで経営上のメリットがある」とした企業は合わせて82.8%に上った。「取り組み自体は重要だと考えているが、経済活動に対しての優先度は下がる」としたのは9.4%だった。「自社には関係がない」「そもそも知らない」とした企業は合計で7.8%だった。

電通沖縄プレスリリースより(以下同)

 SDGsについて「地域で取り組んでいる企業が少ない、もしくはない」との項目への回答では「全くそう思わない」「あまりそう思わない」とした企業計33.3%に対し「ある程度そう思う」とした企業が40.0%で上回った。その他「具体的な推進方法が分からない」「どこに相談していいか分からない」といった項目に対しても、それぞれ約4割の企業が同意するなど、SDGsの実践に踏み出しにくい県内の環境が阻害要因になっているとした。

 「SDGsを推進する上で有効だと思う支援策」については「SDGsをテーマにしたビジネスマッチング」「国や自治体により情報提供」を求める声が両方とも90.6%と最多となった。

 続いて「SDGs関連のセミナーやシンポジウムの開催」が87.5%、「SDGsに取り組む企業などのネットワーク構築」「SDGsに取り組んだ企業に対するPR・情報発信支援」がそれぞれ78.1%と、おおむね情報支援やネットワーク構築支援を求める声が目立った。

就職先選定でSDGsは重視?学生と企業に認識差

 採用活動において、SDGsへの取り組みが学生へのアピールポイントとなると考えた企業は89.1%と大多数を占めた。一方、学生に対する質問で、企業がSDGsに取り組んでいるかどうかが就職先選びで優位になるかを問うものでは「全くそう思う」が11.0%、「ある程度そう思う」が34.8%と、両者の認識の違いが示された。


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