浦商甲子園出場顕彰碑新装 夏ベスト4の盛根、神谷両名将揃う

 

 今年12月に創立50周年を迎える県立浦添商業高校では、卒業生でつくる期成会からの寄付を受け、野球部の甲子園出場に合わせて建立してきた出場顕彰碑5体のうち、文字が薄くなるなどしていた4体を修繕して、節目の年を記念する式典を開催。校史に名を刻む元指揮官2人も顔をそろえた。

浦商野球部 甲子園での足跡

 スクールカラーの紫をベースに胸には縦書きで「浦商」のユニフォーム姿の選手たちが、甲子園で躍動したのを覚えている高校野球ファンはまだ多いのではないだろうか?93年夏、97年春夏は盛根一美(もりね かずよし)元監督が率いて3度出場。そのうち97年夏はベスト4に入り、結果優勝した智弁和歌山との準決勝(延長10回 0-1)は県高校野球史に残る名勝負の一つだ。

 また紺の帽子とアンダーシャツに「URASHO」の現ユニフォームでは08年夏に関東第一(東京)や慶應(神奈川)など名門私学に競り勝ってのベスト4。自身初めての甲子園だった神谷嘉宗(かみや よしむね)元監督の指導は試合の内容でも、接触プレーの後の相手選手への気遣いなど教育面でも注目を集めた。

指導者としての感慨

 4月から新設される日本ウェルネススポーツ大学沖縄キャンパスの硬式野球部監督就任が決まっている盛根さんは69歳。浦商野球部の現監督・部長を始め、指導者として活躍している教え子たちは多い。

  「 野球の世界でも自分のいる職場でもみんな頑張っている姿を見て本当にうれしく思っています。これからも野球の好きな若者、良い選手を育てていきます」

盛根一美さん

 現・美里工業監督の神谷さんは、高校野球は教育の一環だと改めて話した上で、65歳の今も指導者としてグラウンドに立ち続ける原動力を語った。

 「甲子園という大変素晴らしい”ワールド”の中で一戦一戦、準決勝まで戦えたのは非常に幸せでした。また甲子園を目指しながら、子どもたちの成長を考えながら頑張っています」

神谷嘉宗さん

現役部員も気持ち新たに

 学校や野球部関係者とともに式典へ出席した、現野球部の平識開陸(へしき かいり)主将も、先輩たちの功績を前に気が引き締まる思いだと言う。

 「浦商の創立50周年という節目に、自分たち野球部が学校全体を盛り上げていけるようにまずは春季大会(3月20日開幕)をしっかり頑張っていきたいです」

平識開陸主将

 浦商野球部の最後の甲子園出場は9年前の夏(2勝してベスト16)。実力拮抗する県大会を勝ち抜くことは容易ではないが、関係者や卒業生は、6体目の顕彰碑建立に期待を寄せている。


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