【沖縄県知事選】”期日前”を制する者は選挙を制す? 投開票当日に台風接近
- 2022/9/9
- 政治
選管も早めの投票呼び掛け 一部繰り上げ投票も
台風12号の接近を受け、沖縄県選挙管理委員会は8日、「当日の天候を考慮のうえ、積極的に期日前投票制度をご活用くださいますようお願いいたします」と発表し、早めの投票を呼び掛けた。
4年前の知事選も三日攻防の期間に台風が接近し、うるま市の津堅島や竹富町が3日前、本部町の瀬底島や今帰仁村の古宇利島などは2日前に繰り上げ投票が実施された。海上保安庁のヘリや船舶で石垣島や本島に投票箱を輸送した地域もあった。
今回、現状では以前から10日に投票されることが決まっていた竹富町に加え、宮古島市の大神島が9日に繰上げ投票されることが決まっている。
当日の悪天候は投票行動に直接影響を与えるだけに、各陣営ともヤキモキを隠せない。ある候補者は「土曜日までには投票を終えてもらわないといけないね」と陣営関係者に話した後、マイクを握って「被害を避けるために、できるだけ早く期日前投票を行なっていきましょう」と集まった支持者にお願いしていた。SNSで期日前投票の徹底を訴える動きも見られる。
4年前は半分以上が期日前
期日前投票については、企業や団体が持つ「組織票」の動員力に長けた佐喜眞氏を推す保守陣営の”オハコ”とされ、いかに期日前の投票率を上げるかが選挙運動の成果を評価するバロメーターの1つとなってきた。ただ、今回は台風接近もあって半ば強制的に期日前で投票する有権者が増加することが予想され、その強みがどこまで発揮されるか未知数だ。
実際、同じく投開票日に台風が接近した4年前は期日前の投票率が8年前の約2倍の35.1%(406,984人)に上り、過去最高を記録。組織票に限らず、幅広い人が期日前制度を利用したと見られ、最終投票数の実に56.1%を占めた。
佐喜眞氏にとっては、独自の経済振興策や子育て政策でいかに無党派層を取り込めるかが当選に向けた鍵になりそうだ。
一方で、玉城氏の陣営にとっても期日前の投票率は重要な指標になる。「オール沖縄」勢力はこれまでの全県選挙で無党派層からの支持で強みを発揮してきたが、この層は動員が難しい。台風で当日の投票数が減少することが予想される中、期日前で出遅れると厳しい戦いになる可能性もある。
また、メディア各社の世論調査で玉城氏が「先行」と報じられる中、マイクを握る弁士らは「一瞬も油断できない」と呼び掛けている。選挙戦において”緩み”は命取りになりかねないため、引き締めに躍起だ。
下地氏は当選へのハードルは高いが、若者を中心に独自の支持層を築いている。投票率が下がった場合、下地氏の得票数が結果に与える影響はより大きくなりそうだ。