【検証・玉城県政③】新たな社会資本整備は足踏み状態

 

宙に浮いたJ1スタジアム

 FC琉球は、2018年に念願のJ2昇格を果たした。県民からは早期のJ1昇格を期待する声が上がっている。J2スタジアムは泡瀬の運動公園内に既に整備されており、FC琉球はここを本拠地として試合を行っているが、J1スタジアムは未だ整備されていない。

 県では、2017 年8月に「Jリーグ規格スタジアム整備基本計画」を策定し、規模や概算事業費などを算出しているものの、今年度はさらに検討調査業務を公募するなど事業実施の目処が立っていない。この検討調査業務では一括交付金や整備費の縮減、運営収支の改善策などを検討するとしており、振出しに戻っている状況である。

スタジアム建設予定地の奥武山公園陸上競技場
スタジアム建設予定地の奥武山公園陸上競技場

 このままでは、FC琉球がJ1へ昇格したとしても、県内では試合ができない可能性がある。事業を実施する強い意志と能力が欠如している、と言わざるを得ない。

 国、県、市町村はそれぞれの役割に応じた行政を行っているが、互いに連携して政策や事業を実施するケースが多い。特に、多額の費用を要する社会資本整備については、国と県の信頼関係がなければ実現することが困難になる。米軍基地問題を巡って、対峙し争いを重ねていることが政策や事業の実現に悪影響を及ぼしているのであれば、県民にとってこれほど不幸なことはない。

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宮古毎日新聞

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